2024年4月号

特集/ときめきのプリン&愛しのシュークリーム

一生懸命生きようとする子どもの姿~あのね、こどもはね(1)滝澤真毅氏

赤ちゃんと横たわり顔が緩む筆者

 みなさん、はじめまして。私は滝澤真毅といいます。帯広大谷短期大学の保育士・幼稚園教諭のコースで、学生に子どものことや保育を教えたりしています。

 このたび、十勝毎日新聞社からお声がけをいただいて、ときどき子どものことについて書かせていただくことになりました。ただ、私は締め切りのプレッシャーにとても弱いものですから、短大の教員仲間に声をかけて、一人で抱えずに交代で書いていくことになりました。

 他の執筆者は、それぞれの順番が来たときに自己紹介をすると思いますので、今回は私の自己紹介をもう少ししたいと思います。

 写真は、2018年の夏に熊本地震の被災地で行われた支援イベントに参加したときのものです。私が小さな子ども相手に見せるこのような表情は、しかつめらしい顔をして小難しい話をしている私しか知らない短大生たちには、とても意外なようです。

 でも、私が子どもに関する仕事をずっと続けている原点には、この赤ちゃん相手の顔に表れているような気持ちがあると思っています。

 子どもって、かわいいばかりではなくて、よく泣くし、言うことは聞かないし、やってほしくないことをやらかしてくれちゃうし、面倒で手間のかかる存在です。でも、その姿をよく見ていると、自分の持っているあらゆる能力を駆使して、一生懸命生きようとしている様子がひしひしと伝わってきます。

 私は子どものことを勉強してきた人間として、それぞれの子どものその一生懸命さを、応援したいのです。手助けをしたいのです。

 私はよく、子どもとともに過ごす時間は「味わい深い」と感じます。その「味」は複雑で、ひと言では表現できませんが、ここでその「味」のことを、少しずつ語っていければと思っています。どうぞよろしくお願いします。

<たきざわ・まさき>
 帯広大谷短期大学社会福祉科教授。保育士。臨床発達心理士。専門は発達と保育の心理学。北海道大学教育学部出身。釧路短期大学、山形短期大学(東北文教大学短期大学部)を経て2010年から現職。短大の仕事のほか、保育現場での研修や相談、自治体の乳幼児健診の発達相談なども担当している。