十勝毎日新聞電子版
Chaiでじ

2025年11月号

特集/おいしいチーズがある幸せ

COCOCORO大西哲也のなまらおいしいひと工夫「牛肉の“格付け”」

 かちまいをご覧の皆さま、こんにちは。クッキングエンターテイナーの大西哲也です。今月もよろしくお願いいたします。

 十勝には「豊西牛」「十勝和牛」「いけだ牛」などいろいろなブランド牛がありますが、僕の地元・本別町の「美蘭(びらん)牛」もとても好きです。ところで、牛肉の話題になると必ず出てくるのが「A5」や「黒毛和牛」といった“格付け”。聞いたことはあるけれど、実はよくわからない…という方、多いのではないでしょうか。

 まず、牛肉の格付けは「日本食肉格付協会」という団体が、農林水産省に承認を受けたルールに沿って決めています。目的は“おいしさの順位づけ”ではなく、主に値段や流通の指標です。

 アルファベット(A・B・C)は「歩留まり等級」といって、1頭からどれだけ食肉になる部分が取れるかの目安。Aは肉が多く取れ、Cは少なめです。数字(1~5)は「肉質等級」。これは味の点数ではありません。

 評価されるのは(1)肉の色とキメ(2)脂肪の質(3)サシの入り具合(4)その総合評価。この四つのうち、一番低い点が最終ランクになります。つまりA5とは“歩留まりA”かつ“すべての項目が5”という意味。脂がよく入り、見た目の美しい霜降り肉です。

 では“A5が一番おいしいのか?”というと、必ずしもそうではありません。A5は脂のうま味やとろける食感を楽しむ肉。一方で、赤身中心のA3・A4ランクの方が「味が濃くて食べやすい」と感じる人もたくさんいます。僕自身、産地取材や食べ比べをしてきて、格付け=好みではないと実感しています。

 ちなみに「和牛」とは、日本在来の特定品種(黒毛和種・褐毛和種・短角牛・無角和種)の血統を持つ牛のこと。国産牛すべてが和牛というわけでもありません。

 ラベルの数字だけで判断せず、「きょうは霜降りを楽しみたい」「赤身でたくさん食べたい」など、好みや体調に合わせて選ぶのが一番のぜいたくかもしれませんね。

 それではまた来月。したっけ!

<おおにし・てつや>
 1982年本別町生まれ。本別高、専門学校を卒業後、自動車整備士、旅行会社の添乗員などを経て、2016年3月に趣味の料理で旭川市にて起業。「0024(おおにし)クッキングスタジオ」として出張料理・ポップアップレストラン等の活動の後、2017年3月東京都調布市にて合同会社teamsupportと共同でダイニングバー「COCOCORO」を開店。著書に「COCOCORO大西哲也のドヤ飯」「COCOCORO大西哲也の神だれ無限レシピ」(大和書房)、「COCOCORO大西哲也のレンチン レベチ飯」(扶桑社)。

COCOCORO大西哲也のなまらおいしいひと工夫

 十勝毎日新聞をご覧の皆さま、はじめまして。クッキングエンターテイナーの大西哲也と申します。本別町出身で、今は東京で飲食店を経営しながらYouTubeで料理動画を配信したり、料理で人に喜んでもらうためにさまざまな活動をしております。これから時々このせいかつ掲示板で料理のお話をさせていただきます。よろしくお願いいたします。

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