十勝毎日新聞電子版
Chaiでじ

2025年8月号

特集/夏の学びチャレンジ

Chai法律相談(199)「『売れない原野を買い取ります』の言葉、信じてもいいの?」

【質問】
 長年にわたって買い手がつかない原野を持っています。今回、面識のない不動産会社から、「この土地を売りに出しませんか」「条件によっては弊社が買い取ります」との連絡が来ました。私が住んでいる地域や土地がある地域とはまったく関係のない遠方の不動産会社です。わざわざ自宅で説明もしてくれるそうですが、依頼をしても大丈夫でしょうか。

【回答】
詐欺の可能性があるので、家族や専門家に相談を。

 近年、原野などの休眠地を買い取る名目で、土地の管理料、調査費用、広告費用などを請求されるケースが増えています。不動産会社は、本気で土地を売ろうとは思っておらず、管理料などの名目で長年にわたり各種の手数料や費用を得ようと考えています。そのため、まったく売れる見込みのない土地や遠方の土地であっても気にせずに勧誘をしてきますし、売却に至るケースは少ないです。

 また、不動産会社自身が買い取るという話も、実際には買い取りは行わず、測量などの調査費用の請求だけされる場合や、買い取りがされたと同時に、別の原野を購入させられていたというケースも見られます。

 長年売れない土地について、見知らぬ不動産会社から勧誘があった場合は、一人で判断せず、家族や専門家など信頼できる人に早めに相談しましょう。また、万が一契約をしてしまった場合でも、クーリングオフが適用されるケースもあります。手数料などは支払わず、すぐに弁護士や消費生活センターに相談してください。

今回の回答にご協力いただいたのは
[中原正樹 弁護士]

事務所/中原正樹法律事務所
帯広市東12条南6丁目1-3(TOWN7 C-2)
Tel:0155・66・7411


※質問・回答はChai編集室の責任でまとめています。

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Chai法律相談
十勝管内の弁護士が法的トラブルについて答えてくれるChaiの連載です。

※フリーマガジン「Chai」2025年7月号より。