十勝毎日新聞電子版
Chaiでじ

2025年7月号

特集/夏本番!旨辛メニュー

Chai法律相談(198)「市町村から空き家の管理を求める手紙を受け取りました」

【質問】
 20年以上前に亡くなった祖父が所有していた不動産について、「空き家となって放置されており、倒壊の危険がある」として、市町村から解体や修繕などを行うようにと手紙が届きました。祖父が住んでいた市町村でもなく、祖父がそこに不動産を所有していたことも初めて知りました。対応をしなければいけないのでしょうか。

【回答】
無視は厳禁。固定資産税増額や解体費用請求に進むことも。

 過去の相続で遺産分割がなされずに放置されている空き家について、市町村が相続人に対し管理を求めることがあります。

 空き家対策などの推進に関する特別措置法(「空家法」)では、倒壊のおそれがあり、また衛生上有害な状態の空き家を「特定空家」として、市町村に「助言・指導」の権限を与えています。これに従わない場合、勧告、命令、代執行などの手続きが進められ、「敷地の固定資産税が4倍以上に増額」、「50万円以下の過料の制裁が科される」、「市町村が解体を行い、その費用を請求」などをされる場合があります。

 2023年の空家法改正では、特定空家に認定される恐れのある建物についても「管理不全空家等」として、助言および指導や、勧告の対象に含まれることとなりました。存在すら知らなかった空き家について、突然、管理を求められると戸惑うかと思います。各市町村でも「空き家対策」について積極的な支援策を行っています。他の相続人とも連絡を取り合うなどして、早めに対応する必要があります。

今回の回答にご協力いただいたのは
[倉本和宜 弁護士]

事務所/倉本・平井法律事務所
帯広市東2条南7丁目2-3
Tel:050・3786・1570


※質問・回答はChai編集室の責任でまとめています。

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※フリーマガジン「Chai」2025年6月号より。