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道東唯一のお香専門店スーズが好調 顧客広げる仏壇屋さんの挑戦~きょうはコレの日

塩原 真

十勝毎日新聞社 編集局 デジタルセンター

柳田 輝

十勝毎日新聞社 編集局 デジタルセンター

 帯広大通南3でオレンジの外観が目を引く「たち仏具店」(舘和哉代表)には、仏具には縁のない若い女性たちも毎日訪れる。彼女たちが求めるのは、植物などから抽出した香りを加熱して楽しむ「お香」だ。4月18日は、香文化の普及を目的に全国薫物線香組合協議会(現・日本薫物線香工業会)が制定した「お香の日」。(文・柳田輝、写真・塩原真)

 道東唯一のお香のセレクトショップで、店内には約160種類を備える。売れ筋は「白檀」(サンダルウッド)の香り。お香を求めて来店する客の多くが30から40代の女性で、1日に10人ほどが訪れる。まれに下校中の高校生が寄ることもあり、舘代表(31)は「この外観だからか、外から『絶対ここじゃないよ』と話す声も聞こえて笑ってしまった」とそのときの様子を話す。

店頭には色とりどりのお香が並んでいる


 舘代表は愛知県の仏具卸会社に3年務めた後、20年に父から同社を継いだ。自らお香が好きだったこと、線香と同じ業者が取り扱っていることなどから、昨年5月に「お香とアロマのお店 SU-ZU・(スーズ)」として店の一角でお香のセレクトショップを始めた。成功するかどうか不安もあって看板は設置しなかったが、SNSや口コミから人が訪れ、リピーターも多いという。

入り口のドアを開けると正面で約2メートルある観音像が出迎える


 本業の仏具の売れ行きも好調だ。同店は不幸のあったお宅への訪問営業を行わない。それでも「長いときには3時間、お客さんが納得するまで仏壇の相談に応じる」という熱心さからか、ここ数年は1組当たりの単価が上がり、顧客数も増え、3年連続で増収増益を続けている。お香で新たな顧客を開拓しながら、「仏壇が必要になったとき、ここを選んでくれたら」と将来につなげる狙いもある。

自身も起床時や就寝前にお香をたくと話す舘代表


 舘代表にとってお香は時にリラックスし、時に気持ちを高めてくれる道具で、おすすめのタイミングは就寝前。「ちょっと気取ったイメージがあると思うが、もっと気軽に楽しんでもらえるような存在になってほしい」と、今後の広報戦略を練る。

<たち仏具店 お香とアロマのお店 SU-ZU・(スーズ)>
帯広市大通南3丁目8-2
午前9時30分~午後6時30分
0155・27・6155


■4月の主な記念日
19日 珈琲牛乳の日、四川料理の日
22日 道の駅の日、成吉思汗たれの日
23日 シジミの日
28日 ドイツワインの日
29日 ナポリタンの日

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