十勝毎日新聞電子版
Chaiでじ

2025年5月号

特集/みんなの好きなパン

Chai法律相談(195)「部下からの逆パワハラで困っています」

【質問】
 会社の部下から仕事上のミスについて「上司の指示が不明確だったから失敗した」と責められました。その上、会社内でも私のことは無能な上司だと言いふらしており、これが原因で会社での私の立場も悪くなり、仕事に行くのも怖くなっています。これは、部下からの逆パワハラにあたらないでしょうか。

【回答】
逆パワハラの解決は、会社組織としての対応が求められます。

 相談の状況は、部下による逆パワハラの可能性があります。部下が上司に対して不当な批判を行い、無能だと言いふらして社会的な信用を傷つける行為は、業務上の指示が不明確だったという理由であっても、適切な範囲を超えています。上司に対する不当な攻撃や噂の拡散は、職場での立場を不当に悪化させる行為です。

 逆パワハラの問題は、個人で対応することは難しい場合が多く、むしろ会社組織の秩序の問題として、適切に対応することが求められます。会社内での個人的な人間関係の問題として処理することなく、統括する上位者が積極的に関与し、必要によっては専門家などに相談して、客観的な立場で問題を整理することが重要です。特に、社長一人、従業員一人のような零細企業では人間関係が絡みやすく、感情的な対立が深刻化する恐れもあります。このような困難な場合には、外部の専門家などの第三者を関与させて、冷静かつ法的に適切な対応を取ることが必要です。

今回の回答にご協力いただいたのは
[荒木樹 弁護士]

事務所/荒木法律事務所
帯広市西3条南9丁目2(セントラル十勝ビル8F)
Tel:0155・66・7836


※質問・回答はChai編集室の責任でまとめています。

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Chai法律相談
十勝管内の弁護士が法的トラブルについて答えてくれるChaiの連載です。

※フリーマガジン「Chai」2025年3月号より。