笑顔になる台所(5)「とかちの台所道具~十勝の木のうつわ、矢吹俊輔さん」
ARTIST4 幕別町 十勝の木のうつわ
手にしっくりとなじみ、温もりも感じられる食器やカトラリー。「十勝の木のうつわ」には、地元を中心とした道内の木々で作った、使い勝手の良い品がそろう。シンプルながら印象的な器を生み出しているのが、佐々木要さんと息子の允(まこと)さん。丸太ごと購入し、下処理から加工まで丁寧に手をかけて完成させる。ギャラリーで接客を務める要さんの妻・榮子さんは、「木の食器は衝撃に強く、修理して使えるのが長所。お客さまとは長い付き合いになります」と、ほほ笑む。約20種の木材から選び、自分好みの器をオーダーするのもお勧めだ。
販売場所:cafe&gallery nanakamado(ナナカマド・帯広)、北海道ホテル(帯広)
<cafe&gallery nanakamado>
幕別町札内春日町297-24
Tel:080・3260・0912
営:11時~16時
休:火~木曜(金・土・日・月曜営業)
webショップ
木目が生きる〈拭き漆(白)〉12,000円、なめし革のような〈石目地塗り(茶)〉、陶器のような〈石目地塗り(黒)各13,500円。石目地は粉状の乾漆でマットに仕上げる手法。木はすべてクルミだが塗り方で印象も手触りも別物
ARTIST5 帯広市 矢吹俊輔(やぶきしゅんすけ)さん
漆の色や塗りのパターンは多彩で、試したいことがたくさんあります。優しい木の質感や形、木目を生かし、現代の食卓になじむものを作りたいですね。漆器は洗剤で洗えるし、軽く扱いやすいので長く愛用していただければ」。5年前から木の器作りにはまり、数カ月後には日本伝統の天然樹脂塗料・漆で塗装する漆器にたどり付いたという、木工作家の矢吹俊輔さん。作品の中心は皿やわんなど日常使いの器。道産木材を旋盤で削って木地を作り、多いもので10回以上漆を塗り重ね、3カ月以上かけて繊細に仕上げている。
販売場所:Pastoral(帯広)
※作品は購入後メンテナンスのオーダーも可能
Instagram:インスタグラム
※フリーマガジン「Chai」2025年2月号より。
※撮影/辰巳勲、清田千裕。写真の無断転用は禁じます。
笑顔になる台所
料理を作るのはもちろん、家族の団らんが生まれたり、リラックスできたり…。台所は特別な時間が流れる場所。身近なあの人のキッチンや作家の器など、「台所」にまつわる情報をお届けします。