笑顔になる台所(4)「とかちの台所道具~陶の杜、順心窯、客家窯」
十勝在住の作家による、器やカトラリー。いつか手に入れたい、"メイドイン十勝"の逸品がそろいました。
ARTIST1 幕別町 陶の杜(もり)
陶の杜・大石政代さんが作る絵皿は、そこにあるだけで食卓が華やぐかわいらしさ。料理を食べ進めると現れる動物や植物のイラストに、自然と笑みがこぼれる。
大石さんの器のトレードマークともいえるのが、模様が浮かび上がる独特な風合い。粘土を掘り出して作る版画のような技法「掻(か)き落とし」によって、絵に息を吹き込む。大石さんの次の挑戦は”色“。「象嵌(ぞうがん)の技術を用いた、多色の器も試作中です」と目を輝かせる。
イラストのモチーフは、大石さんが愛する十勝の自然や、散歩中に出合った何気ない風景。「思いが形になる過程が楽しい。使う人の笑顔を思い浮かべて作っています」。器を手に取るたびに大石さんの優しい思いがじんわり、伝わる。
販売場所:SLOW living(帯広)、TREE OF LIFE(帯広)
Instagram:touno.mori
※陶芸教室やイベント出店の情報はSNSで確認を
ARTIST2 本別町 順心窯(じゅんしんがま)
順心窯の青木紀子さんが作り出す作品は、茶わんや湯飲みなど暮らしにそっとなじむ日常の器。ナラや白樺など天然の木灰を釉薬に使用することで淡い色彩を作り、素朴でどこか温かみがある作品に仕上げる。細かい割れ模様が美しい「貫入(かんにゅう)」など長年培った技術で表現の幅を広げている。
販売場所:順心窯、道の駅ステラ★ほんべつ
本別町南2丁目14-20
Tel:0156・22・2165 ※見学したい場合は要連絡
ARTIST3 帯広市 客家窯(はっかがま)
清水知秀さんは商社マンから陶芸の世界に飛び込み35年。1992年に足寄で開窯し、2000年より帯広で作陶を続けている。
茶わんや小鉢、酒器などの作品で表現し続けているのは、四季折々に美しく変化する、オンネトーの色彩。毎日器を使いながら、神秘的な湖に思いをはせたい。
販売場所:工房兼「ギャラリー夢庵」
帯広市西5条南11丁目26-3
Tel:090・8272・7915
※営業時間・定休日不定(訪問時は電話で確認を)
※フリーマガジン「Chai」2025年2月号より。
※撮影/辰巳勲、清田千裕。写真の無断転用は禁じます。
笑顔になる台所
料理を作るのはもちろん、家族の団らんが生まれたり、リラックスできたり…。台所は特別な時間が流れる場所。身近なあの人のキッチンや作家の器など、「台所」にまつわる情報をお届けします。