十勝毎日新聞電子版
Chaiでじ

2024年10月号

特集/そばのおいしい季節です

Chai法律相談(190)「有効性の高い証拠は?」

【質問】
 当事者の主張が真っ向から対立している場合、どのような証拠を集めれば自分の言い分が正しいと判断してもらえるのでしょうか。

【回答】
まずは嘘をつかない客観性の高い証拠と、より多くの情況証拠を集めてください。

 機械的に事実を記録する録音・録画、ドライブレコーダーの画像、事故の痕跡、契約当事者証、日常業務的に記録された記録簿などの物証や書証は、後から改ざんされた痕跡がないことを前提として、証拠能力が高く認められます。

 ただ、このような客観性の高い証拠で証明できる事実は、多くの場合、立証が求められる事実の一部である「点」であり、事件全体の事実の流れである「線」(ストーリー)を立証するためには、人の供述が必要となります。

 人の供述は思惑によりゆがめられやすく、記憶や表現の過程で誤りが混入するおそれがあるため、慎重に判断しましょう。また、情況証拠的な間接証拠を寄せ集め、そこから立証したい事実を推認する必要もあります。

 人の供述の信用性判断と事実の推認のために使用されるのが経験則であり、一般常識にかなった推理となります。経験則により事実を間違いなく推理するためには、そのもとになる重要な情況証拠をより多く収集し、時系列に並べて整理する必要があります。以上の準備を遂げて法律相談に行くと、より効率的な相談ができます。

今回の回答にご協力いただいたのは
[武部雅充 弁護士]

事務所/帯広市東7条南9丁目16
Tel:0155・20・3233 


※質問・回答はChai編集室の責任でまとめています。

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Chai法律相談
十勝管内の弁護士が法的トラブルについて答えてくれるChaiの連載です。

※フリーマガジン「Chai」2024年10月号より。