十勝毎日新聞電子版
Chaiでじ

2024年11月号

特集/レトロかわいい十勝

ホルモン×ブロッコリーでご当地麺目指す? らぁめん藤

 橙のスープには赤いトウガラシのかけら、熱々のスープから引き揚げた中太ストレート麺にはひすい色の粒。もっちりしたブロッコリー麺はほのかに甘みがあり、まろやかで家庭的な雰囲気あるピリ辛スープと絡み合う。「らぁめん藤」のホルモンラーメンは、色と味わいのコントラストが面白い一杯だ。

麺を湯切りする阿部代表


 「音更のブロッコリーを使ったホルモンラーメンを、ご当地ラーメンにできないかなって勝手に目論んでいる」と阿部利徳代表は冗談交じりに話す。提供するラーメンはブロッコリー麺以外も音更産が基本で、「音更産のおいしい小麦、おいしい豚肉を食べてほしい」と頬を緩める。

ホルモンラーメン


 ラーメンが特別好きなわけではなかった。「サボるし、遅刻するし、気に入らないと文句ばかり。何をやっても勤まらなかった」。そんなころに母が病に倒れ、安心させようと定職に就くことに。知り合いのつてを頼って市内のラーメン店で修行したのち、2003年に店を構えた。「藤」の店名は、「母の名に恥じないように」と亡くなった母、藤江さんの一字をもらった。

店頭には「『フツーのらぁめん』をお届けします」の文字


 手掛けるラーメンについて「良くも悪くもこだわりがない」という。開店当初は店を訪れる客の意見を取り入れながら、何度も味を変えてきた。「食事は楽しむもの。『おいしい』や『楽しい』をお客さんに届けたい」と客に寄り添うことに徹する。

 人気を博した藤は22年に新築した道の駅おとふけへ移った。「ここは十勝の玄関口で、町の“味”の評価につながる。おいしいものを提供する責任がある」と意気込む。「道の駅は運転に疲れた人がやってくる。食べて元気になってもらえたら、それ以上うれしいことはない」と満面の笑みを浮かべた。

笑顔でラーメンを提供する阿部代表


<らぁめん藤>
音更町なつぞら2番地(道の駅おとふけ内)
Tel:0155・65・0822
時間:10時~18時(LO30分前)

道の駅おとふけ

音更をラーメンの町に

 「ここをラーメンの町にしよう」という呼びかけに賛同した町内9つのラーメン店主たちは2018年、町のラーメンをブランド化しようと「音更町ら~麺組合」を結成した。今や人気の土産品となった「ブロッコリーら~麺」の誕生秘話と、提供する店舗を紹介する。

ホルモン×ブロッコリーでご当地麺目指す? らぁめん藤

肉味噌なじませ引き立つうまみ 三楽西帯広店

十勝川温泉にイタリアンのラーメン? ターブルベジ

人気は1杯550円の日替わりラーメン 麺屋弍色

ニンニク利かせた豚骨の濃厚な味わい 麺やぼうず

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