十勝毎日新聞電子版
Chaiでじ

2024年11月号

特集/レトロかわいい十勝

Chai法律相談(172)「飼っている猫に財産を相続させたい」

【質問】
 私は一人暮らしで、両親は他界し子どもはいません。現在、ネコ(チャオ・9歳)を飼っており、家族同然のように一緒に暮らしています。自分も年を重ねてきて、もし自分が先に亡くなった場合、このチャオがどうやって生きていくのか、とても心配です。

 現在、持ち家で暮らしているので、チャオに私の遺産を相続させて、面倒を見てもらう人を探したいのですが、可能でしょうか。

【回答】
ネコは相続できませんが、信頼できる人に負担付き遺贈をする方法があります。

 子どもがいないため、遺産は兄弟姉妹(またはその子ども)が相続することになります。遺言書を残せば、他の人に相続させることができますが、ネコは相続ができません。法律上、動物は動産扱いです。

 死後、ネコの飼育に関する対応としては、次のような内容の遺言書を作成します。(1)信頼できる第三者に財産を渡す(遺贈)(2)遺贈を受け取る負担としてネコを飼育することを条件とする(負担付き遺贈)。

 遺言書は、1人で作成できますが、遺贈を受ける人(受遺者)が事情を知らないと、遺贈を放棄することもありえますので、受遺者とは事前によく話し合う必要があります。

 また、不完全な遺言書のため、遺言が無効となることもしばしばあります。遺言書の作成にあたっては、事前に弁護士等の専門家に相談することを強くお勧めします。

今回の回答にご協力いただいたのは
[荒木樹 弁護士]

事務所/荒木法律事務所
帯広市西3条南9丁目2(セントラル十勝ビル8F)
Tel:0155・66・7836


※質問・回答はChai編集室の責任でまとめています。

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十勝管内の弁護士が法的トラブルについて答えてくれるChaiの連載です。

※フリーマガジン「Chai」2023年4月号より。