十勝毎日新聞電子版
Chaiでじ

2024年11月号

特集/レトロかわいい十勝

Chai法律相談(180)「建築瑕疵(かし)による損害賠償請求について教えてください」

【質問】 
 ハウスメーカーに自宅の新築工事を依頼して完成し、引き渡しを受けました。引き渡しを受けた後からいろいろと不具合があり、また、約束とは違う施工がなされている箇所もあるようです。建築瑕疵による損害賠償請求はどのような場合に認められるのでしょうか。

【回答】
契約違反や法律違反が建築瑕疵になります。

 大きくは、建築請負契約に違反する施工である。または、建築基準法などの法律に違反する施工である場合に、建築瑕疵が認められることがあります。単に、自分の気に入らない施工であるという理由では、損害賠償請求は認められません。

 建築瑕疵の訴訟では、あるべき施工がどのようなものか(契約や法律に沿った施工)、実際の施工はどうか、どのような損害があるかという観点で、争点が整理されます。

 契約違反かどうかを判断するには、契約書、契約の見積もり、建築図面、その他契約時のやりとりに関する資料などを証拠として検討します。法律違反かどうかを判断するには、建築基準法といった建築基準を調査することになりますが、多くの人は建築の専門家に相談しなければわからないかと思います。

 いずれにせよ、先ほど説明した資料や、施工の原状に関する資料をそろえて、弁護士や建築士をはじめとする専門家に相談するとよいでしょう。弁護士会では、建築紛争に関する調停を行い、弁護士や建築士などの専門家が調停委員になっていますので、参考にしてください。
 
今回の回答にご協力いただいたのは
[辻和義 弁護士]

事務所/音更町木野大通東5丁目2-13(2F)
Tel: 0155・67・5221


※質問・回答はChai編集室の責任でまとめています。

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※フリーマガジン「Chai」2023年12月号より。