十勝毎日新聞電子版
Chaiでじ

2024年11月号

特集/レトロかわいい十勝

Chai法律相談(154)「借金が返せません。でも、持家を手放したくありません」

【質問】
 消費者金融や銀行のカードローンからの借り入れが膨れ上がり残高が500万円を超えてしまいました。借りたお金で返済し、何とかやりくりしてきましたがもう限界です。自己破産を検討しましたが、今住んでいる家には住宅ローンが2000万円残っており、破産すると家を手放さないといけないと聞きました。家を手放さずに返済をらくにする方法はありませんでしょうか?

【回答】
民事再生という手続を取ることを検討すべきです。

 借金の整理は自己破産以外にも方法があり、民事再生はそのうちのひとつです。

 民事再生とは裁判所を利用した手続きであり、現在の借金を減額した上、分割で返済するというものです。条件を満たせば住宅ローンを特別扱いすることができるため、持家を残したまま、計画的に他の借金を返済することができます。

 例えば、住宅ローンが2000万円残っており、消費者金融等からの借金が500万円
残っていた場合、住宅ローンはそのまま返済し続けて持家を維持しつつ、消費者金融等からの借金を5 分の1に減額した上で、3年の分割で返済するといったことができる場合があります。

 家を手放さずに返済の負担を軽くしたいというご質問者様の要望に沿った手続ですので、今回のケースでは民事再生を検討すべきでしょう。

 なお、民事再生の利用には細かい条件があり、利用するにあたり検討しなければならない事項が多くあります。問題解決の一番の近道は専門家に相談することですので、まずは一度弁護士に相談することをお勧めします。

今回の回答にご協力いただいたのは
[小宮政史 弁護士]

事務所/弁護士法人アディーレ法律事務所帯広支店 帯広市西2条南11丁目16-1
(第3エーワンビル6F)
Tel:0155・28・6127


※質問・回答はChai編集部の責任でまとめています。

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十勝管内の弁護士が法的トラブルについて答えてくれるChaiの連載です。

※フリーマガジン「Chai」2021年10月号より。