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2022年5月号

特集/お風呂とグルメの小さな旅

やっぱりたまご(1)「十勝の卵がすごい!理由1」

米艶を生むのは日齢350日以内の若鶏のみ。飼料になる米のもみ殻を糞尿の下敷き材に使用し、糞は農家のたい肥として活用するなど、環境に配慮した仕組みが整う

「安全&おいしい」を目指してトコトン!」十勝の卵がすごい!理由
竹内養鶏場

 十勝で飼われている採卵鶏は約86万羽(十勝家畜保健衛生所調べ)。餌や飼い方を工夫する、こだわりの養鶏場も多く見られます。十勝の卵のおいしさの秘密に迫るべく、生産者を訪ねました。

私たち、大切に育てられた箱入り娘


生産者の思いが詰まった白い卵
 薄茶色の殻を割ると、レモンイエローの黄身がプルンと現れる。通称〝白い卵〞とも呼ばれる竹内養鶏場の「米艶」は、淡い色の黄身が特徴。口当たり滑らかで、優しい甘味も感じられる。今や道内や国内のみならず、海外にも引く手あまたの人気だ。体にいいものはおいしい―。竹内養鶏場では、そんな当たり前のことを約30年前からコツコツと取り組んできた。

 米艶を生むソニア種のニワトリが暮らすのは、気候に合わせて温度や日照を調整できるカーテン式の解放鶏舎。特有のアンモニア臭がほとんど無いことにも驚かされる。2段のケージ飼いにしているのは、体調のチェックや餌の管理がしやすいため。11棟ある鶏舎には1万4300羽ものニワトリが暮らしているが、こまめな観察を欠かさず小さな変化も見逃さない。

 今も作業の基本は、人の手と目を頼りにした昔ながらの方法。食べるのがもったいないほど手間暇かけているが、そこまでしなければおいしい卵は生まれない。質の高さは、日々の努力のたまものだ。

集卵は竹内さん一家が協力し合い、すべて人の手で行っている。ニワトリが食べる餌の量や健康状態も、毎日欠かさずにチェック

米艶を生むソニア種が食べる餌には道産米、生米ぬか、釧路産の魚粉、サロマ湖のホタテの貝殻などを、栄養バランスに留意して配合


<竹内養鶏場のあゆみ>
■1955年…帯広市内で開業
■1971年…音更町(現在の場所)へ移転
■1998年…非遺伝子組み換え、収穫後農薬なしのトウモロコシを使った飼料を導入し、卵を生産。トウモロコシ以外の飼料を国産へ切り替え
■2013年…ブランド卵「米艶」の納入開始

「卵は毎日食卓に上るので、安心して食べられるものを心掛けています」と代表の竹内康浩さん



北海道の大地の恵みが届けてくれるもの
 竹内養鶏場が安全・安心な卵を目指すきっかけになったのは、1997(平成9)年、アメリカで遺伝子組み換えの農作物の許可が下りたこと。数十年先の影響がわからない飼料をニワトリへ与えることに、代表の竹内強さんは疑問を感じていた。一念発起して無農薬や国産の飼料に切り替え、独自に研究を重ねた強さん。信念を貫く強さんの背中を見て、息子の康浩さんも家業を継ぐ決意を固めた。

 約10年前に、道産米を主原料にした99・8%道産の飼料が完成。着色剤などの余計なものを使わない健康的な飼料を食べたニワトリは、真っ白な卵を産んだ。最初は見慣れない白い卵に戸惑っていた飲食店や消費者も、康浩さんの地道なPRによって、その優れた品質を認めることに。2年前には道産トウモロコシ飼料で育ったボリスブラウン種の〝黄色い卵〞「玉艶」も発売し、評判を呼んでいる。

 道産素材と真心によって育まれた卵。その豊かな味わいは、私たちが普段見過ごしている恵まれた環境を改めて教えてくれる。

ベテランの手作業

サイズ別に振り分け、梱包(こんぽう)するのもスタッフの手作業。卵の表面はクチクラという自然保護膜で覆われているため、水は使わずに一つずつブラッシングで洗卵している

ベテランスタッフの手さばきは素早いが、触れ方は細やかで優しい

血卵などの異常卵は、目視に加え最新の検出装置で見つける


<竹内養鶏場>
音更町下音更北4線西17
Tel:0155・31・3753
※購入できる場所は、北野エース・帯広藤丸店(帯広市)、らららマルシェ(音更町)など
※養鶏場での販売は行っておりません

※フリーマガジン「Chai」2021年10月号より。
※撮影/辻 博希。写真の無断転用は禁じます。