2024年4月号

特集/ときめきのプリン&愛しのシュークリーム

ギュウ~っと十勝(5)「酪農教育ファームiふぁーむ(岩谷牧場)」

手搾りを体験。出てきた生乳に手を当て「温かい」ことを実感した

小学生が酪農家の仕事体験
牧場の恵みを体感。「命」をいただくとは何かを考える

 十勝には、酪農家の仕事や、「命」をいただくとはどういうことなのかを学べる牧場「酪農教育ファーム」が数多くあります。仕事を体験したり、宿泊して酪農家の生活を肌で感じることができます。小学生2人が幕別町忠類の「i-ふぁーむ」(岩谷牧場)で、酪農家の仕事に挑戦しました。

左から岩谷史人さん、松村美里さん、岩城京汰郎君、岩谷智恵さん


 教えていただいたのは、岩谷史人さん(54)、智恵さん(53)夫妻。体験した小学生は、岩城京汰郎君(9)と松村美里さん(9)。まずは、牛舎にいる牛を見る前に「牛」の絵を描きました。体験後に再び、牛を描くのですが、明らかに変化し、足の形や乳房の位置など、細かな所が本物に近づきました。これは本物の牛を見ながら、体の構造やなぜそうなっているのかを学ぶことで、牛についてしっかりと理解できた証しです。

 史人さんは、酪農家について「牛たちが気持ちよく生活して牛乳を出してくれるよう世話をしています」と説明します。牛乳は食べ物になるだけでなく、接着剤や人工の骨を作る原料にもなることも教えてくれました。

まず、酪農家の仕事や牛の種類、牛乳が手元に届くまでを学びます


 続いて、手で搾乳に挑戦して、生乳が温かいことを体感し、牛舎の作業、子牛の世話を体験。牛舎に入るときには、餌のすっぱい臭いに「臭い」と言っていた子どもたちも、世話をするうちに慣れ、楽しそうに牛と触れ合っていました。

こんなに搾れた! 搾乳器で、1頭から1度に搾れる量を確かめました

子牛にミルクを飲ませるのも体験。子牛にグイグイと押され、力強さを体で感じます


 作業の体験後、史人さんが絵本「いのちをいただく みいちゃんがお肉になる日」を読み聞かせ、子どもたちは食料として命をいただくとはどういうことなのかを感じていました。

牛乳と生クリームでアイスクリームを作り、おいしくいただきました



幕別町忠類公親236
Tel:01558・8・2027
FAX:01558・8・2027
メール:i-farm.churui@nifty.com
i-ふぁーむでは、酪農体験を(要予約)受け入れています。対象は小学校4年生から一般、受け入れ可能人数は1~6人。料金など詳細はお問い合わせください。中央酪農会議「酪農教育ファーム」のホームページには、酪農教育ファームの認証を受けている牧場を掲載しています。
https://www.dairy.co.jp/edf/


※フリーマガジン「Chai」2018年9月号より。
※撮影/辻博希。写真の無断転用は禁じます。