2024年4月号

特集/ときめきのプリン&愛しのシュークリーム

ギュウ~っと十勝(4)「牧場カフェ&レストラン」

定番の〈あずきのシフォンケーキ〉(1カット)200円、(飲み物セット)650円。そのほか季節限定のシフォンも用意し、7、8月は〈もものシフォン〉の予定

<Cafe Cloverカフェクローバー>(清水町)
 橋本牧場の敷地内で、2017年8月に開店したカフェクローバー。元馬小屋だった建物を改築した店内には、ゆっくりとした時間が流れる。くつろぎのひとときのお供には、紅茶を。オーナーの有働知美さんは紅茶コーディネーターの資格を持つことから、厳選した茶葉をそろえる。「紅茶って高級感があり、優雅な印象がありますよね。ホッとした気分になれる、紅茶の良さを広めたい」と、有働さんは笑顔で話す。

 手作りのシフォンケーキも、紅茶と好相性。旭川産の米粉を使用した生地はしっとり、モチモチの食感が楽しめる。ちょっぴり心が疲れた時、クローバーの扉を開いてみよう。爽やかな紅茶の香りと温かいもてなしに、元気をもらえるはず。

新鮮な牛乳で作る、橋本農場のアイスクリームも販売。(バニラ、クリームチーズ、あずき、フローズンヨーグルト)各280円、〈プレミアムアイス〉300円。左は〈放牧ミルクソフト〉400円


8/2(木)~、1周年記念イベントを予定!

清水町清水第6線31(橋本牧場内)
Tel:090・7514・3226 
営:10時~18時(10、11月は~16時)
※営業期間は11月末まで 
休:不定

店名の由来は幸せを呼ぶ四つ葉のクローバーと、英語の表記に「LOVE」(愛)が含まれることから

オーナー 有働知美さん




<COWCOW Cafeカウカウカフェ>(芽室町)
 ガラス張りの店内から外を眺めると、一面の小麦畑が広がっていた。絶景を眺めながら味わえるのは、自慢の牛肉や地場の素材を使ったメニュー。居心地の良い空間に、“十勝らしさ”を満喫できるたくさんの要素がそろう。

ガーリックパウダーと塩・コショウでシンプルに味付けした〈カットステーキプレート〉ロース2000円、ヒレ2700円。パンかライスを選べ、サラダ、ビーフシチュー、デザート、コーヒーが付く

明るい日差しが差し込む店内。どの席からも広大な景色が眺められる


 カウカウカフェを営むのは、牛肉や農作物を生産する大野ファーム。「人も自然も牛も健康であること」をモットーにし、食の安全を第一に考えている。子牛から大切に育て、餌には自家栽培の牧草や非遺伝子組み換えのものを使用。健やかに育まれた大野ファームの牛肉は、深いうま味が広がる赤身とほんのり甘い脂身のバランスが絶妙だ。素材の良さをそのまま生かしたステーキやハンバーグで、そのおいしさをおなかいっぱい堪能したい。

芽室町祥栄北8-23
Tel:0155・62・4159
営:11時~17時(ランチタイムは~14時、LO1時間前)
休:月曜(祝日の場合は営業、翌日休み) 
※8月中は無休

夏にはテラス席を用意。小麦の収穫後はヒマワリ畑になり、その景観も見事

「14時からのスイーツメニューもお薦め」とスタッフ千葉百花さん




<夢がいっぱい牧場>(大樹町)
 地図を頼りに道道や農道を進んでやっとたどり着く。わざわざ足を運ぶのは、独自ブランド「夢大樹黒毛和牛」の料理を目指してだろう。自家牧草で丁寧に育てる牛は約300頭。消費者の口に肉が安全に届くまでを担おうと、30年前からハンバーグなど加工品作りに取り組んできた。こだわりは熟成肉。十分なサシとまろやかな甘みが特徴だ。

〈ビフトロ丼〉1,458円、漬物・味噌汁付きは、まさに「トロ」の味わい。ビフトロは肉の熟成期間を除き、商品の完成まで2週間かかるそう


 人気の〈ビフトロ〉は、丼物として牧場の食事所で提供している。40日以上熟成したモモとバラ肉をローストビーフを作る要領で焼いて作り、それをカットして凍ったままご飯に。肉の味付けは一切せず、うま味が口の中でトロリと溶け出す。「安心で安全な食の追究。当たり前をコツコツ続けたい」と副工場長の片岡朋子さん。その思いが宿るから、わざわざ行きたくなるのだ。

〈ビフトロ〉は牧場横の直売所やネットでも販売



大樹町萠和182 
Tel:01558・6・3295
営:10時~17時(LO16時半) 
休:火・水・木・金曜
(1~3月は冬季休業)。※営業時間外利用は事前予約で可

牧場名は幼い頃の朋子さんが名付けたもの。現在は十勝管外のファンも多い

「加工品は母が作った味。多くの人に食べてもらいたいです」と副工場長の片岡朋子さん




<十勝しんむら牧場 CREAM TERRACE(クリームテラス)>(上士幌町)
 店に入りまず目を引くのが、中庭の雑木林で草をはむヤギや、かわいい牛グッズ。“牧場のショールーム”をテーマに牧場敷地内に2005年に開店したカフェは、目や舌で酪農の魅力を感じることができる。

人気メニューが一皿になった〈ソフトクリーム・バナナワッフルプレート〉750円と、夏季限定〈パイナップルアイスティー〉600円


 牧草を育む土づくりからこだわり育てた放牧乳牛は約150頭。脂肪分が多く濃厚なミルクがメニューの主役だ。おすすめは〈ソフトクリーム・バナナワッフルプレート〉。十勝産小麦や卵、搾りたて牛乳が素材のワッフルに、人気商品「ミルクジャム」と紅茶シロップがかかる。自家製パインコンポートが入った鮮やかな〈パイナップルアイスティー〉と合わせるのもいい。「牧場の物語を感じてほしい」と店長の新村恵理さん。生産者・消費者のコミュニケーションの場として、ぜひ立ち寄りを。

放牧牛乳と十勝産グラニュー糖を煮詰めた〈ミルクジャム〉は10種を展開。〈プレーン〉702円など。店内で味比べもできる


上士幌町上音更西1-261 
Tel:01564・2・3923
営:1 0 時半~ 17時(LO16時半)
休:火曜(11、12月は火・水曜、1~3月は冬季休業)

建物には、壁から突き抜ける牛のオブジェなども展示して遊び心いっぱい

「安全でおいしい牛乳をこれからも目指します」と店長の新村恵理さん


※フリーマガジン「Chai」2018年9月号より。
※撮影/辰巳勲、辻博希。写真の無断転用は禁じます。