もしもの備え(6)「日中は太陽光発電から専用コンセントに給電 LPガスで発電機運転」
「自立運転」に切り替えて専用コンセントで使用可能
家庭に設置している太陽光発電は、日中、発電した電気を専用コンセントで使用できる。メーカーによって操作法は違うが、ハラデンキで取り扱っているシャープ製の太陽光発電の場合、居間などに付いているリモコンで、停電の非常電源として使用するための機能「自立運転」にする。自立運転時は専用のコンセントから、最大で1500Wまで使用可能となる。自立運転への切り替えや電気を使えるのは、日中の発電しているときで、発電量によって使用できる電力は変化する。自立運転時のコンセントは、分電盤近くに取り付けていることが多く、表記されている場所もある。普段からメーカーのホームページなどで、操作法を確認しておくと良いだろう。
家のLPガスで発電機運転、ハンディ―タイプの蓄電気も
家庭のLPガスを燃料として使える発電機が、ホンダの低圧LPガス発電機。専用のガス供給ボックス(メーカー希望小売価格3万1800円・税別、工事費別)を設置する必要はあるが、非常時は供給ボックスからホースを延ばして、発電機に接続して簡単に使用できる。スマホや照明など、必要最低限の電力確保に向いている定格出力900Wのタイプ「EU9iGP」(メーカー希望小売価格19万円・税別)は、LPガス50 ㎏容器で運転時間は約110時間(エンジンオイルなどの補充が必要な場合がある)。
帯広プロパンは、停電時、この発電機と、太陽光発電から電気を確保し、パソコンや電話を使えるようにして、顧客の問い合わせなどに対応した。最大1500Wまで使用できるタイプ「EU15iGP」(メーカー希望小売価格9万8000円・税別)もある。供給ボックスからのみつなぐことができ、屋内では一酸化炭素中毒の恐れがあり使用できない。
ホンダは、ハンディータイプ蓄電機「LiB-AID E500」(アクセサリーソケット充電器同梱・メーカー希望小売価格8万6400円)も用意している。重さは約5kgで持ち運べ、サイズもコンパクト。通常は家庭のコンセント(100V)で充電でき、非常時は車のシガレットからも充電できる。100V(最大出力500W)とUSB端子から給電する。レジャーでの電源として使うことを想定しているため、スマートフォンだと16〜20回ほどの充電、ノートパソコンは連続で10〜15時間程度使用できる。ホンダ販売店でのみ取り扱っている。ホンダカーズ帯広は「9月の停電以降、興味を持つお客さまが増え、購入された方もいます」と話し、関心は高まっている。
※フリーマガジン「Chai」2018年12月号より。
※撮影/辻博希。写真の無断転用は禁じます。
もしもの備え
災害は忘れたころにやってきます。普段からの備蓄や、身近なものでできる防災グッズ、非常電源にもなるハイブリッド車や電気自動車など、「もしもの備え」について考えます。