2024年4月号

特集/ときめきのプリン&愛しのシュークリーム

もしもの備え(6)「日中は太陽光発電から専用コンセントに給電 LPガスで発電機運転」

ハラデンキ本店に展示されている分電盤とリモコン、専用コンセント分電盤専用コンセントリモコン

 太陽光発電を備えている家庭でも、停電時の操作法が分からず、家で電気を使用できなかったところもあった。日中、発電している時は専用コンセントに電気を供給できる。LPガスにつなげる発電機もあり、非常時には最低限の電気は確保できそうだ。

「自立運転」に切り替えて専用コンセントで使用可能
 家庭に設置している太陽光発電は、日中、発電した電気を専用コンセントで使用できる。メーカーによって操作法は違うが、ハラデンキで取り扱っているシャープ製の太陽光発電の場合、居間などに付いているリモコンで、停電の非常電源として使用するための機能「自立運転」にする。自立運転時は専用のコンセントから、最大で1500Wまで使用可能となる。自立運転への切り替えや電気を使えるのは、日中の発電しているときで、発電量によって使用できる電力は変化する。自立運転時のコンセントは、分電盤近くに取り付けていることが多く、表記されている場所もある。普段からメーカーのホームページなどで、操作法を確認しておくと良いだろう。

家のLPガスで発電機運転、ハンディ―タイプの蓄電気も

帯広プロパンに設備されている低圧LP。ガス発電機(赤い機器)。写真上部の供給ボックス(箱)からガスホースを延ばし接続して使用する


 家庭のLPガスを燃料として使える発電機が、ホンダの低圧LPガス発電機。専用のガス供給ボックス(メーカー希望小売価格3万1800円・税別、工事費別)を設置する必要はあるが、非常時は供給ボックスからホースを延ばして、発電機に接続して簡単に使用できる。スマホや照明など、必要最低限の電力確保に向いている定格出力900Wのタイプ「EU9iGP」(メーカー希望小売価格19万円・税別)は、LPガス50 ㎏容器で運転時間は約110時間(エンジンオイルなどの補充が必要な場合がある)。

 帯広プロパンは、停電時、この発電機と、太陽光発電から電気を確保し、パソコンや電話を使えるようにして、顧客の問い合わせなどに対応した。最大1500Wまで使用できるタイプ「EU15iGP」(メーカー希望小売価格9万8000円・税別)もある。供給ボックスからのみつなぐことができ、屋内では一酸化炭素中毒の恐れがあり使用できない。

レジャーでの使用を想定して昨年9月に発売された蓄電機「LiB-AID E500」


 ホンダは、ハンディータイプ蓄電機「LiB-AID E500」(アクセサリーソケット充電器同梱・メーカー希望小売価格8万6400円)も用意している。重さは約5kgで持ち運べ、サイズもコンパクト。通常は家庭のコンセント(100V)で充電でき、非常時は車のシガレットからも充電できる。100V(最大出力500W)とUSB端子から給電する。レジャーでの電源として使うことを想定しているため、スマートフォンだと16〜20回ほどの充電、ノートパソコンは連続で10〜15時間程度使用できる。ホンダ販売店でのみ取り扱っている。ホンダカーズ帯広は「9月の停電以降、興味を持つお客さまが増え、購入された方もいます」と話し、関心は高まっている。 

※フリーマガジン「Chai」2018年12月号より。
※撮影/辻博希。写真の無断転用は禁じます。