2024年4月号

特集/ときめきのプリン&愛しのシュークリーム

もしもの備え(1)「備え上手になろう! 備蓄のイロハ 村田真弓さん」

 9月の大規模停電では、慌ててスーパーやホームセンターに駆け込んだ人も多いはず。災害はいつ起こるかわからないもの。日頃の備えのこつを、防災士の村田真弓さんに教えてもらいました。

◆「自宅で避難」に備える ローリングストック
 今回の大停電のように、在宅でライフラインの復旧や救助を待つ場合の備えです。「ローリングストック法」は、日常生活の中に食糧備蓄を取り入れる方法。「多めに食糧を購入」→「消費」を繰り返すことで備蓄を継続することができ、備蓄品の鮮度も保ちます。

<Point>
(1)通常必要な分の1.5倍。1週間生活できる量を
「1週間」は支援が来るまでの想定期間。大規模災害は、自治体など救助する側も被災者です。各食材は1.5倍より少なくなったら買い足します。

(2)非日常を日常に! 身近なもので無理せず
備蓄で出費がかさむと長続きしません。箱買いなどで身近なものを安く手に入れる工夫をしましょう。また、被災中はなじみの味にホッとするもの。食べ慣れたものを備えることで日常生活に近づけて。

(3)「栄養を補えるもの」「ごほうび」も
備蓄品は、栄養を補えて料理に幅が出るものを選んで。切り干し大根やだしを取るシイタケなどもおすすめ。また、自宅でも避難生活はストレスがたまるもの。ちょっと高級な缶詰や好みの菓子など、“ご褒美”もプラスした備えを心がけましょう。


◇もっと備蓄上手に!
 慣れてきたら、食べ物だけではなく乾電池や使い捨てカイロなど日用品にも幅を広げて。オール電化住宅では、調理ができるカセットコンロやガスボンベも用意しましょう。また寒さに備え、ガスボンベで稼働するポータブルストーブも重宝します。

◆「外へ避難」に備える 持ち出し品セット
 自宅が危険な場合は外への避難が必要です。避難所などに迅速に移動するため、「1次持ち出し品」「2次持ち出し品」をそれぞれ用意し、持ち出しやすい場所に置いておきましょう。


<Point>
(1)人から借りることができないものは用意
メガネや入れ歯、薬などを用意しよう。

(2)アイマスクと耳栓は必須!
避難所は安全確保のため常に電気がついています。また、被災者同士
の話し声も気になるもの。

(3)女性や子ども、高齢者には特に気遣いを
基本品目プラス、女性や子ども、高齢者がいる家庭は個別に必要なものを考えましょう。生理用品やおむつは個包装のため清潔で、傷の手当てなどでも活躍します。また近年は、避難所生活中の女性への性被害も問題に。ホイッスルなど身の安全を守る道具も加えて。

◆「外出先での被害」に備える
 学校や勤務先、移動中…。被災時に自宅にいるとは限りません。飲料水やあめ、カイロなど必要最低限のものは常にかばんに入れて持ち歩きましょう。また日頃から、被災時の集合場所や行動を家族で話し合うのも大切。子どもや高齢者には、家族や病院の連絡先、病状、アレルギーの有無などが分かるメモなどを、公衆電話を利用できる10円玉と一緒に持たせて。1人で被災したときは支援者に提示するよう伝え、家族から離れている間もサポートしてもらえる工夫が必要です。

<教えてくれた人>
村田真弓さん
防災士、北海道地域防災マスター、日本赤十字社の救急指導員。帯広市の防災講師などを務める



【特集】もしもの備え
北海道は9月に、大規模停電を経験しました。災害は忘れたころにやってきます。普段からの備蓄、身近なものでできる防災グッズ、非常電源にもなるハイブリッド車やPHV、電気自動車。災害んお備えについて考えます。

※フリーマガジン「Chai」2018年12月号より。