2024年4月号

特集/ときめきのプリン&愛しのシュークリーム

Chai法律相談(139)「遺言書を書きましたが、紛失しないか不安です」

【質問】
遺言書を書きましたが、紛失しないか不安です。

 私は妻をすでに亡くしていますが、子どもが3人います。自宅や預金など多少の財産があるので、子どもたちが相続でもめないように、自分で遺言書を書きました。ただこの先、私が病気になって入院したり、介護施設に入ったりしたときに、せっかく書いた遺言書を紛失してしまい、見つけてもらえないのではないかと不安です。何かよい方法はないでしょうか。

【回答】
自ら作る遺言書を法務局で保管してくれる制度ができました。

 遺言をする人が自ら遺言書を作成する遺言を「自筆証書遺言」といいます。この自筆証書遺言は、いつでも作成でき、費用もかからないなどのメリットがありますが、一方、適切に保管していないと誤って紛失したり、あるいは誰かに改ざんされる恐れがあるなどのデメリットもあります。

 そこで、このたび「法務局における遺言書の保管等に関する法律」が制定され、今年の7月10日から施行されることになりました。これにより、法務局に申請して、自ら作成した遺言書を法務局に保管してもらえるようになり、遺言書の紛失や改ざんを防止することができるようになりました。なお、法務局に保管してもらうかどうかは遺言者の自由です。この制度が始まる前に作成した遺言書でも、所定の様式に合うものであれば保管してもらえます。保管の申請をする際は3900円の手数料がかかりますが、相続人が遺言書の内容を家庭裁判所で確認する検認の手続きが不要になるなどのメリットもありますので、ご検討下さい。

今回の回答にご協力いただいたのは
[村山敬樹 弁護士]

事務所/むらやま法律事務所(帯広市西2条南6丁目20-7 フレンド2・6 2F)
Tel:0155・67・7821


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※フリーマガジン「Chai」2020年7月号より。