ディープなカレー気分(7)「週刊少年サンデー連載『ひとりぼっち農園』」
育てた野菜で「日本一のカレーを作る―」。そんな目標を掲げて東京から十勝にやってきた漫画家・横山裕二さん。週刊少年サンデー(小学館)で「十勝ひとりぼっち農園」と題して、その奮闘ぶりを連載している。カレー作りの行方はいかに!? 十勝の印象などを交えて聞いた。
「十勝で野菜をイチから育て、日本一のカレーライスを作ってお世話になった人をもてなすのだ」。週刊少年サンデー編集長からの指令で、横山さんが十勝に移住したのは2017年12月。音更町郊外で購入した約250㎡の荒れ地を耕し、農作業に励んでいる。
1年目はカレーの具材に必須のジャガイモが全滅するなど、アクシデントだらけ。ダイコンが主役となったカレーを東京から来た大御所の漫画家らに振る舞うが、「うすい」と酷評されて落ち込む横山さん。それでも地域の人と絆を深めながら、着実に畑の実りを増やしている。
漫画は、そんな日々をユーモアたっぷりに描いたノンフィクション。なじみある十勝の地名や名物が随所に登場し、共感を伴って読み進められるのは十勝っ子の特権だ。一方、道外者の目から見た十勝や北海道独特の文化も取り上げ、地元の新たな魅力を発見できる。
今年はジャガイモやタマネギ、ニンジンの他、「パンチが足りなかった」との反省から、ニンニクなど香りとなる野菜にも挑戦するという。取材日の4月中旬は、町内の農家が貸してくれたトラクターを「まずは運転を思い出すところから…」と始動! 果たしておいしいカレーはできるのか―。今後の展開に目が離せない。
<農園長の横山裕二さん>
十勝の食は「ハッとするおいしさ。特に野菜が感動します」。気さくだという人の気質も含めて、今や熱烈な十勝ファン
<Profile>
山口県出身。「ビッグコミックスピリッツ」(小学館)に作品を投稿し29歳でデビュー。趣味は自転車、読書、映画鑑賞など。「十勝ひとりぼっち農園」は週刊少年サンデーで連載中。ツイッターアカウント「横山裕二農園長」(@gessanyokoyama)でも日々の出来事をつづっている。
「勝毎出張編」も
週刊少年サンデーとは別のストーリーで十勝毎日新聞に毎週寄稿している「十勝ひとりぼっち農園 勝毎出張編」。地域の人との触れ合いや、十勝の気候や風習などがネタに。
※フリーマガジン「Chai」2020年6月号より。
※撮影/辻博希。写真の無断転用は禁じます。
※掲載内容は新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が全都道府県に拡大する前に取材したものです。各店の営業状況は変更になる場合がありますのでご注意ください。
ディ―プなカレー気分
カレーがソウルフードの一つである帯広・十勝。ひときわスパイスが恋しくなる暑い夏は、奥深いカレーの魅力を求めて、いつもと違う味に挑戦してみよう。個性的な一皿や本格的なカレーの作り方などをご紹介。