2024年4月号

特集/ときめきのプリン&愛しのシュークリーム

ディープなカレー気分(7)「週刊少年サンデー連載『ひとりぼっち農園』」

執筆の合間を縫って週2、3回畑に通う。「今年はおいしいトウモロコシも作りたいなぁ」(2020年4月)

十勝で野菜育て、カレー作り
 育てた野菜で「日本一のカレーを作る―」。そんな目標を掲げて東京から十勝にやってきた漫画家・横山裕二さん。週刊少年サンデー(小学館)で「十勝ひとりぼっち農園」と題して、その奮闘ぶりを連載している。カレー作りの行方はいかに!? 十勝の印象などを交えて聞いた。

 「十勝で野菜をイチから育て、日本一のカレーライスを作ってお世話になった人をもてなすのだ」。週刊少年サンデー編集長からの指令で、横山さんが十勝に移住したのは2017年12月。音更町郊外で購入した約250㎡の荒れ地を耕し、農作業に励んでいる。

 1年目はカレーの具材に必須のジャガイモが全滅するなど、アクシデントだらけ。ダイコンが主役となったカレーを東京から来た大御所の漫画家らに振る舞うが、「うすい」と酷評されて落ち込む横山さん。それでも地域の人と絆を深めながら、着実に畑の実りを増やしている。

1年目の収穫 立派なダイコンを土から抜いてにんまり♪


 漫画は、そんな日々をユーモアたっぷりに描いたノンフィクション。なじみある十勝の地名や名物が随所に登場し、共感を伴って読み進められるのは十勝っ子の特権だ。一方、道外者の目から見た十勝や北海道独特の文化も取り上げ、地元の新たな魅力を発見できる。

 今年はジャガイモやタマネギ、ニンジンの他、「パンチが足りなかった」との反省から、ニンニクなど香りとなる野菜にも挑戦するという。取材日の4月中旬は、町内の農家が貸してくれたトラクターを「まずは運転を思い出すところから…」と始動! 果たしておいしいカレーはできるのか―。今後の展開に目が離せない。

<農園長の横山裕二さん>
 十勝の食は「ハッとするおいしさ。特に野菜が感動します」。気さくだという人の気質も含めて、今や熱烈な十勝ファン


<Profile>
 山口県出身。「ビッグコミックスピリッツ」(小学館)に作品を投稿し29歳でデビュー。趣味は自転車、読書、映画鑑賞など。「十勝ひとりぼっち農園」は週刊少年サンデーで連載中。ツイッターアカウント「横山裕二農園長」(@gessanyokoyama)でも日々の出来事をつづっている。

「勝毎出張編」も
週刊少年サンデーとは別のストーリーで十勝毎日新聞に毎週寄稿している「十勝ひとりぼっち農園 勝毎出張編」。地域の人との触れ合いや、十勝の気候や風習などがネタに。

4巻のひとコマ。手作りカレーは帯広のソウルフード「インデアン」と味比べされることに…!


表紙はいずれも十勝の風景。十勝管内各書店でも扱っている。コミックは5巻まで発売


※フリーマガジン「Chai」2020年6月号より。
※撮影/辻博希。写真の無断転用は禁じます。
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