勝毎電子版ジャーナル

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刺さずに置くだけのはりとして使う「皮内鍼」。長さは3ミリほどと非常に小さく、皮膚に置く際の向きにより得られる治療の効果も異なる

東洋医学へのいざない 第17回 置くはりが効く理由は? 皮膚の情報伝達が体内を変える

吉川 正子

鍼灸師

 これまで東洋医学のいろいろな考え方をご紹介しましたが、はりを刺さずに置くだけでも治療できることの不思議について、お伝えしたいと思います。

 私は、鍼灸(しんきゅう)とははりを皮膚上のツボに刺すものだという考えで、30年近くはりを刺して治療してきました。しかしあるとき、はりを抜きかけた際に、圧痛の反応などが大きく変化したことがきっかけで、それ以来、刺さずにツボに正確に当てるように...