勝毎電子版ジャーナル

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東洋医学へのいざない 第10回 「虚実」「補瀉」とは? 流れを補い、滞りを除いて調整

吉川 正子

鍼灸師

 前回まで東洋医学のいろいろな考え方をお伝えしました。鍼灸では経絡やツボをよりどころに病の存在を知り、経絡を使って治療します。それは、体の表面にある経絡上のツボの異常を見つけ、身体の内部に働き掛けて体内を変化させ、治癒に至らせる“体表医学”とも言えます。

 ツボは身体の内部の情報をいろいろな形で表しています。大きく分けて「虚」と「実」です。「虚」とは虚弱、「実」とは充実のこと。ただ...