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2021年10月号

特集/やっぱりたまご

Chai法律相談(137)「賃貸物件からの立ち退きの際の原状回復の範囲は?」

【質問】
賃貸物件からの立ち退きの際の原状回復の範囲は?

 長年住んでいた賃貸物件から引っ越すことになりましたが、退去するにあたって大家さんから高額の原状回復費用を請求されてしまいました。原状回復費用の中には、家具設置の跡や日照による畳や壁の変色についての修復費用も含まれていました。私は、請求された原状回復費用の全額を支払わなければならないのでしょうか?

【回答】
通常損耗か否か、契約上の特約があるか否かでの判断になります。

 賃借人は賃貸物件の返還の際には原状回復義務を負担しています。

 この原状回復義務の範囲ですが、賃借人が通常の使用をした場合に生じる損耗・劣化(通常損耗)については、原則として原状回復義務の中には含まれません。例としては、家具設置の跡や日照による畳や壁の変色などが挙げられます。これらの費用の負担は大家さんが行うことになります。

 逆に、通常の使用を超えるような使用による損耗や劣化(特別損耗)、入居者の故意・過失による汚損などの場合は、原状回復義務の範囲内となります。例えば、喫煙によるクロスの変色や臭いの付着などが挙げられます。
 
 もっとも、通常損耗であっても、賃貸借契約の際に原状回復義務の範囲内に含まれるとする旨の特約を定めることは可能であり、この特約がある場合には、通常損耗であっても賃借人の原状回復義務の範囲内に含まれることになりますので、賃貸借契約書を確認する必要があります。

 なお、原状回復の詳しい内容については、国土交通省住宅局より「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」が作成されており、参考となります。

今回の回答にご協力いただいたのは
[石王大樹 弁護士]

事務所/帯広市東3条南14丁目8 弁護士法人斉藤道俊法律事務所
Tel:0155・26・3133


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※フリーマガジン「Chai」2020年5月号より。