2024年4月号

特集/ときめきのプリン&愛しのシュークリーム

日本酒ことはじめ(6)「日本酒好き!女子がゆく まちなか探訪」

 日頃から日本酒好きを宣言しているChaiの女子部員2人。こだわりの酒を楽しめる店を求めて、夜の街に繰り出した。

★ハセ
取材などを通じて魅力に触れ、今やワインからすっかり日本酒派 
★アン
宅飲みはもっぱら日本酒。「秋から冬は熱かんが最高!」

 日暮れも早くなった10月下旬、まず向かったのが「炭焼処 蝦夷ふくろう」。ジビエや魚介の料理が豊富で、アンいち押しの店だ。柔和な笑顔の店主・福原光孝さんに迎えられ、さっそく乾杯! マダイやカワハギの刺し身に、蔵出しの限定酒を合わせ、「はァ~、おいしい!」。福原さんの酒談義で杯を重ね、すっかり上機嫌である。

 2軒目は銀座通り沿いの「酒房 竹之内」へ。目の肥えた(?)アラフォー部員ハセもうならせた。同店で味わえるのは、道内をはじめ日本中から届く食材で作る旬の一皿。市内の和食処で約20年間腕を磨いた店主・竹之内将秀さんだけに、日本酒のセレクトも抜かりない。希少な地酒をそろえ、中でも期間限定の「季節の日本酒」は見逃せないラインアップだ。

 大人のたしなみに満足してお開き…のはずが、向かいの「酒処 丹の」が目に入る。「もう一軒行っちゃう?」。落ち着くカウンター席は、陽気な国際唎酒(ききざけ)師のダン・メトカフさんとの会話も魅力だ。デザートと日本酒のコラボを教えてもらい、酒の奥深さをまた発見! 次の〝酒の会〞の企画を練る女子たちであった。

■1軒目 炭火処 蝦夷ふくろう
 120種以上の日本酒を扱う店は、全国各地の蔵でしか手に入らない限定酒をお目当てに客が集まる。ハンターでもある福原さんの目利きと人脈で仕入れた肉や魚介は、「十勝外」のおいしいものとの出合いが新鮮!

奈良の蔵出し300本限定の〈やたがらす大吟醸 山田錦〉には、香ばしくあぶった鹿児島のマダイの刺し身を。

わた(内臓)といただくカワハギの刺し身も美味。刺し身は盛り合わせ5品1,580円~(税別)

合わせたのはジビエ料理専用、高知の〈無手無冠〉。今回の酒はすべて1杯1,000円(税別)

山ワサビと味わう〈イノシシステーキ〉2,500円(税別)は臭みがなくて滋味深い

「料理も最高!」


◇炭火処 蝦夷ふくろう
帯広市大通南10丁目19-2(名門通り)
Tel:0155・26・2960
※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、営業は当面予約のみ


■2軒目 酒房 竹之内
 日本酒に合う和食が充実する大人の隠れ家。これからの季節はカキや白身の魚を使ったメニューがお薦めだ。宴会コース5,500円~(4人から、要予約)も用意するので、日本酒好きのメンバーなら全員一致で大満足間違いなし。

秋田・阿櫻酒造の季節限定酒〈阿櫻 純米吟醸 無濾過原酒〉一合900円に合わせたのは、厚岸町から浜直される〈カキキンのカキエモン〉2個790円、〈真タチポン酢〉1,000円

福井・黒龍酒造の〈黒龍 特吟〉1合1,500円は、日本酒好きに知られる銘酒。スッキリとした後味で飲みやすい

2017年にオープン。カウンターでは、竹之内さんとの会話も楽しみの一つ


◇酒房 竹之内
帯広市西2条南10丁目16-2(こせきビル1F)
Tel:0155・29・1894
営:17時30分~22時30分 
休:日曜


■3軒目 酒処 丹の
 全国から厳選した日本酒60種類以上が並ぶ。会話をしながらその人に合う酒を見極めて提案してくれるので、日本酒初心者にもお薦め。落ち着く店内で、米国出身のダンさんらしいアレンジを加えた料理と共に、心地よく酔いしれて。

5日間じっくり調理した胸肉を味わう〈ローストチキンサラダ〉850円は、フルーティーで余韻がさわやかな福島の純米吟醸〈廣戸川〉グラス850円と(各税別)

シロップで約6時間炊いたサツマイモをバターで炒め、キャラメルソースを絡めた〈さつまいものグラッセ〉650円(税別)

新政酒蔵(秋田)の貴醸酒〈陽乃鳥〉(ひのとり)グラス1,200円(税別)がぴったり! 柑橘(かんきつ)系の風味で女性にもおすすめ

「ソースもおいしいですよ~」


◇酒処 丹の
帯広市西1条南10丁目( 丹野ビル2F)
Tel:0155・67・8169
営:18時~ LO24時
休:日、第1・3月曜


※フリーマガジン「Chai」2020年12月号より。
※撮影/辻博希。写真の無断転用は禁じます。

日本酒ことはじめ

 米文化とともに歩みを始めた日本酒は、神事や生活にも欠かせない日本の「国酒」。種類も多彩で一見難しそうですが、知るほどに奥深い魅力があります。今年は帯広畜産大学の敷地内に酒蔵が誕生し、酒造りからも目が離せません。せっかくだから、十勝でおいしい日本酒を楽しみましょう。初心者にも分かりやすい好みの日本酒の見つけ方や、造り手の思いなどを紹介します。

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