十勝毎日新聞電子版
Chaiでじ

2024年11月号

特集/レトロかわいい十勝

日本酒ことはじめ(2)酒屋でときめく 一目ぼれする日本酒

 日本酒に詳しくなくても、蔵元の個性が出るラベルは眺めているだけでも楽しめます。十勝の酒屋で、見た目や味わいが女性好みの日本酒をお薦めしてもらいました。

〇新政酒造(秋田)
〈亜麻猫 一回火入れ〉720ml 1,782円
 白麹(こうじ)が作る個性的な酸味と、柔らかな米のうま味が特徴的。「扁平精米」という特殊な米の削り方で、精米歩合65%ながら50%クラスのクリア感を実現した。ロックはもちろん、ソーダ割でもおいしい。


〇永井酒造(群馬)
〈水芭蕉 Artist Series フローラルスパークリング〉360ml 1,320円
 片岡鶴太郎氏による、美しい水芭蕉の絵が目を引く。独自の瓶内二次発酵技術により、口当たりが良く滑らかな泡に仕上げている。白桃やリンゴのような香りが感じられ、爽やかな味わいは食前酒にぴったり。


久楽屋
 1995(平成7)年、当時はまだ珍しい地酒の専門店として創業。代表の上田雅寛さんは日本全国の酒蔵と交流し、地元の飲食店にアドバイスを行うなど、酒文化を広めるために尽力してきた。和のディスプレーが目を引く店内には、全国の銘酒や限定品などもそろえている。

上田雅寛さん


帯広市西2条南1丁目6
Tel:0155・24・3966
営:10時~20時(日曜、祝日は~19時)
休:正月のみ




〇苗場酒造(新潟) 
〈醸す森 純米吟醸・生酒〉1.8ℓ 3,520円 720ml 1,760円
 一段仕込みの段階で絞った若い酒は、お米の甘さを楽しんで。アルコール感が少なめで、初心者も飲みやすいフルーティーさが魅力。新潟の日本酒バル&温泉ホステルのコラボで生まれた活性生酒。※びん内で二次発酵が続く生酒


〇笹一酒造(山梨)
〈木火土金水 純米吟醸〉1.8ℓ 3,300円 720ml 1,650円
 中国の「五行思想」の木、火、土、金、水になぞらえ、甘味などの五味が互いに影響し合うことを表現した。個々の感性で酒を楽しんでもらおうと、ラベルは1点1点手書き。甘い香りと上品なコクがあり、滑らかな口当たり。


前田英一商店
 1953(昭和28)年創業の老舗には、小規模な蔵元と縁を結んでそろえた個性的な日本酒が並ぶ。「日本文化の中で培われ、日本人の体になじみがいい国酒。一期一会を楽しんで」と代表取締役の三嶋一浩さん。三嶋さんの酒談義に酔いしれるのも楽しい。

三嶋一浩さん


帯広市西5条南17丁目14
Tel:0155・24・4831
営:11時~19時30分
休:日曜、祝日※12月はなし




〇吉田酒造(福井)
〈白龍 純米吟醸〉720ml 1,400円 ※税別
 最高品質の酒米「山田錦」と福井県を代表する酒米「五百万石」を使い、白山麓の雪解け水で仕込んでいる。品のあるフルーティーな香りとスッキリした口当たりに加え、酸味のバランスが絶妙。女性からの支持も厚い。


〇高砂酒造(旭川)
〈えぞ乃熊 純米吟醸〉720ml 1,450円 ※税別
 見つけたら迷わず購入したい、地酒専門店限定酒。道産の酒造好適米・きたしずくを使用した純米吟醸酒は、爽やかな香りと米のうま味が際立つ。やや甘口でキレが良く、あっさりとした湯豆腐や魚料理などと相性抜群。


酒屋あだち
 店に並ぶ日本酒は、代表の足立正登さんが蔵元に足を運んで選んだこだわりの品。商品の背景や蔵元の情報など、知識豊富な足立さんの話を聞きながら酒を選ぶ過程も楽しい。道産ワインも充実しているので、タイミング次第で希少な品と出合えるかも。

帯広市西24条南1丁目34-16
Tel:0155・37・3003
営:10時~20時
休:火曜、第3日曜




〇宮泉銘醸(福島)
〈寫樂(しゃらく) 純米吟醸〉
1.8ℓ 3,422円、720ml 1,700円 ※各税別
 入手困難な酒の一つ。フルーティーな香りとしっかりとした米のうま味に、苦味や酸味が調和。淡泊な甘さで後味はすっきりとし、食中酒としても楽しめる。日本酒を飲み慣れていない人や女性にもおすすめ。


〇新澤醸造店(宮城)
〈あたごのまつ 彗星 純米大吟醸〉 北海道限定
1.8ℓ 2,900円 720ml(期間限定)1,500円 ※各税別
 東日本大震災で倒壊した酒蔵を助けようと駆け付けた北海道の人へ感謝の気持ちを込めて、道産米「彗星」を使って作られた酒。純米酒でありながら淡麗で辛口、和食にもよく合う。ラベルは漫画家のヤマザキマリさん作。


にたいら酒店
 全国の酒蔵に通い、自身の舌で納得して仕入れた約200種の日本酒が並ぶ。蔵元の思いなどを丁寧に教えてくれ、思いもよらぬ酒との出合いがあるかも。「驚きや感動を伝えたい。気負わずに楽しんで」と店長の仁平泰臣さん。オーガニックワインや焼酎なども扱う。

仁平杏奈さん


帯広市東6条南8丁目19
Tel:0155・22・8610
営:9時~19時
休:日曜、祝日
http://www.nitaira.com/


※フリーマガジン「Chai」2020年12月号より。
※撮影/辰巳勲。写真の無断転用は禁じます。

日本酒ことはじめ

 米文化とともに歩みを始めた日本酒は、神事や生活にも欠かせない日本の「国酒」。種類も多彩で一見難しそうですが、知るほどに奥深い魅力があります。今年は帯広畜産大学の敷地内に酒蔵が誕生し、酒造りからも目が離せません。せっかくだから、十勝でおいしい日本酒を楽しみましょう。初心者にも分かりやすい好みの日本酒の見つけ方や、造り手の思いなどを紹介します。

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