十勝毎日新聞電子版
Chaiでじ

2025年11月号

特集/おいしいチーズがある幸せ

おいしいチーズがある幸せ(4)「チーズ愛を語れ!~高森喜代さん」

校内の牛舎でとれた生乳を使用し、チーズづくりに励む高森さん

 十勝のチーズの魅力に、すっかりハマってしまった人たち。チーズに熱き思いを抱く2人に話を聞きました。

おいしいチーズにかける青春
北海道帯広農業高等学校 酪農科学科3年生 高森喜代さん

 帯広農業高等学校3年生の高森喜代さんは、チーズを食べるのも作るのも大好き。その愛が高じ、校内の施設を利用して自主的にチーズづくりを行うほどだ。学生らしくはつらつとした印象の高森さんだが、ひとたび白衣に身を包めば、”職人“へ。迷いのない動きでテキパキと作業をこなす。

 高森さんの実家はオホーツクの紋別市にある牧場。父・秀樹さんがチーズを作るのを見て育ったが、自分で作り始めたのは高校入学後。先輩に誘われたのがきっかけで次第にのめり込んでいった。週末は午前6時から夕方まで作業室で過ごすこともあるという。「水分やレンネット(凝乳酵素)の量でさまざまに変化するチーズ。奥が深くてもっと知りたくなります」と目を輝かせる。

 高校卒業後は管外の牧場で勤め、酪農業の技術や知識を磨く予定の高森さん。チーズ製造の業務はないようだが、「趣味としてでも作り続けます」と情熱は尽きない。チーズづくりで培った「好き」を極める力で、未来を切り開く。

手際よくストリングチーズを切り分ける。完成後は学生寮で配り、友人らに喜ばれているそう

高森さん作のカマンベールチーズ。そのほかのレパートリーはモッツアレラ、カチョカヴァロなど

用具や資料など、校内にはチーズづくりに必要なものがそろう


取材協力/北海道帯広農業高等学校 帯広市稲田町西1線9
Tel:0155・48・2102

※フリーマガジン「Chai」2025年11月号より。
※撮影/スタジオ・イッセイ 高橋一生。写真の無断転用は禁じます。