十勝毎日新聞電子版
Chaiでじ

2025年10月号

特集/気になった時が訪れどき、限定オープンの店

気になった時が訪れどき 限定オープンの店(7)「『期間』限定の店~イエローストーン、Bakestand nemu(ベイクスタンド ネム)」

手前から〈昔ながらのナポリタン〉800円(目玉焼きトッピング+100円〉、〈喫茶店のプリン〉600円(アイストッピング+100円)

 季節や年月などの期間を決めて、その時期だけオープンしている店。気になったら早めにチェックを!

【Limited】
2027年まで


帯広市 イエローストーン
老舗の灯を守る令和の若き継承者
 惜しまれつつも2年前に閉店した喫茶店イエローストーン。今年1月、20歳の若き店主・伊藤瑠花さんが2年限定で店を引き継いだ。「終わりが決まっているから、失敗を恐れず挑戦できて楽しい」と目を輝かせる。

「『顔見に来たよ』と通ってくれる常連さんが多くうれしい。最後まで駆け抜けたい」と店主の伊藤さん


 昔ながらの喫茶店をイメージしたナポリタンと固めのプリンをメニューに採用。1時間かけてじっくり焼くプリンは、弾力があり食べ応え抜群。1日10食限定のため、開店1時間で売り切れになることも。高齢者が多い大空地区で、どの世代にも親しんでもらえるようにと作った〈おにぎりセット〉も大好評だ。

昔の面影が残る心地良い店内。壁の色を塗り替え、ステンドグラスのランプを取り付けた


 営業最終日は2027年3月末日。「東京や海外で経験を積んで、また十勝に戻ってきたい」と伊藤さんが見つめる未来は明るい。

大きな窓から店内の様子がうかがえ、足を運びやすくなった。不定期でモーニングやバー営業も行う


帯広市大空町8丁目2-6
営:11時~20時 ※モーニング、バータイムあり
休:不定
Instagram:tokidoki_dokidoki_



カウンターに並ぶ色とりどりのパン。じっくり炊いた士幌産小豆と白玉を抹茶生地で包んだ〈抹茶大福〉や開店当初から人気の〈シナモンロール〉など選ぶのも楽しい


【Limited】
4月~11月頃まで


士幌町 Bakestand nemu(ベイクスタンド ネム)
迷ってでも行きたい畑の中のベイクスタンド
 士幌町の市街地から約5分、車を走らせると見えてくるレンガの建物。ここは4月〜11月頃まで期間限定でオープンするパンと焼き菓子の店だ。日替わりで12〜13種類のパンと約10種類の焼き菓子が並び、「食いしん坊なので、食べてみたいものを作っています」と店主の橋本冬萌(ともえ)さん。

元保育士の店主・橋本さん。伊豆大島出身で、10年以上前に十勝に移住。親子で店を切り盛りする


 十勝産・道産小麦を使用し、ゆっくり発酵させて焼き上げるパンは、もっちりとした食感が特徴。素朴ながらもやみつきになる。季節の野菜や手作りジャムなどを組み合わせ、菓子パンから総菜パンまで幅広い。

開店当初はシフォンケーキとクッキーだけだったという焼き菓子も、今では充実のラインアップ


 「店内にはイートインスペースもあります。ゆっくりしていってくださいね」と橋本さんはにっこり。時間を忘れてつい長居してしまうほど居心地がいい。

築70年以上の建物。周りの畑は1年ごとに植える作物が変わり、違う表情を楽しめる


士幌町士幌西2線211-4
営:11時~15時
休:月・火・金曜
Instagram:nemu.bakes

※フリーマガジン「Chai」2025年10月号より。
※撮影/スタジオ・イッセイ 高橋一生、清田千裕。写真の無断転用は禁じます。