十勝毎日新聞電子版
Chaiでじ

2025年5月号

特集/みんなの好きなパン

安心・とかちの暮らし(193)「賃貸アパートの退去トラブルに注意を!」

 賃貸アパートのトラブルで多いのが、退去時の原状回復費用をめぐる事案です。高額な修繕費用を請求されたという相談も多く、注意が必要です。気をつけるべき点を帯広消費者協会の協力でまとめました。(Chai編集室)

【質問】
 3年住んだ賃貸アパートを退去した。後日、部屋のクロスの全面張替え費用として、10万円の請求書が届いた。クロスを破いたり汚したりしていない。修繕費用は払わなくてはならないのか。

【回答】
 借主負担となる原状回復費用の範囲や算定の考え方は、国土交通省が「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」として公表しています。それによると、経年変化と通常損耗(家具の設置によるカーペットのへこみなど通常使用で生じる程度の損耗)は貸主負担とし、借主の負担は不注意により生じた損耗や、たばこのヤニによる変色や臭いがついた場合としています。また、借主に負担義務がある場合の負担割合は、経年年数を考慮して算定する考え方を示しています。まずは、ガイドラインを基準にして、貸主と話し合いましょう。解決できない場合は、民事調停などを利用することもできます。

 原状回復のトラブルを防止するためには、契約時に特約の有無を含め原状回復の内容を書面で確認し、負担する範囲や修繕などを貸主と合意しておくことが大切です。入居時に貸主側とともに部屋の状態を確認し、物件状況のチェックリストを作成しておきましょう。この時に、写真も撮影することをお勧めします。退去する時も出来る限り大家、管理会社の立ち合いのもと、部屋の現状を確認しましょう。その場でのやりとりや、修繕が必要と思われる個所は記録に残しましょう。困ったときには居住地の消費者相談窓口にご相談ください。

【相談窓口】
帯広市消費生活アドバイスセンター(とかちプラザ1F Tel:0155・22・8393)、またはお住まいの各町村消費者相談窓口か道立消費生活センター相談窓口(Tel:050・7505・0999)へ。なお、帯広消費者協会では、会員を募集しています。通常立ち入れないような施設を見学できたり、各種広報物の提供を受けられるなどの特典があります。年会費:1口2,000円 問:帯広消費者協会 Tel:0155・22・7161

安心・とかちの暮らし
暮らしの困りごとについて、帯広消費者協会の協力で事例を紹介する連載です。

※フリーマガジン「Chai」2025年3月号より。