十勝毎日新聞電子版
Chaiでじ

2024年11月号

特集/レトロかわいい十勝

そばのおいしい季節です(4)「十勝のそば図鑑~大樹町 十勝海霧そば オーランドファーム、開拓舎とかち、そば乃 兎月」

香ばしく適度な甘みがあり、食べやすい麺に仕上がる

 長い歴史があり、日本の食文化に欠かせないそば。十勝は国内でも有数のそばの産地です。各地域で作られているそばの特徴を知った後は、お店でその味を楽しんでみませんか。

◆大樹町 十勝海霧そば

2011年から栽培するそばはキタワセ。除草剤や化学肥料は使用せず、土づくりに力を入れて健康的な育生を目指す


豊かな風土が育むおいしさ
 海のミネラルを含んだ肥沃(ひよく)な土壌を生かし、「清流だいこん」を栽培してきた大石農場。三代目・大石富一さんのアイデアで誕生した大樹町の新たな名産がそばだ。ダイコンの側に雑草の「タデ」が生えていると表面がきれいに育つことから、タデ科のそばに目を付けた。

 輪作向けに無農薬で育てたそばは、風味豊かに成長。味が良いだけでなく、麺を打つ際にまとまりやすいと評判だ。「十勝海霧そば」というネーミングでブランド化され、今や品質においても一目置かれている。

そばの実の大きさを分類した後、皮をむいて製粉する。顧客のニーズに合わせて、ひき方を調整することも

製粉は幕別町の開拓舎とかちで行う。3台の石臼がフル回転。通常1日100kgほどのそば粉を生産する

オーランドファームの代表を務める大石さん


オーランドファーム 
大樹町芽武83-2 
Tel:01558・7・7008

開拓舎とかち(工場) 
幕別町明野426
Tel:080・4047・0761
※そば粉の注文はこちら


地元産そば粉を使う鹿追町の店

うま味広がる手打ちの〈ザルそば〉750円


◆そば乃 兎月
 今年の3月に開店。のど越しの良い手打ちそばで早くも人気を集める。つゆには、カツオ節など3種の具材で取っただしのうま味が凝縮。香り高いそばの風味を引き立てる。

 「寒い季節は、地元の人が好む太めのそばを提供したい」と、挑戦を続ける店主の伊藤翔弥さん。自慢の天ぷらもぜひ味わって。

ブルーの壁が目を引く外観。洗練された店内で、気取らずにそばを味わえる

愛される味を目指してそば打ちに励む、店主の伊藤さん


大樹町2条通7-1 
Tel:01558・8・7366
営:11時~14時 
休:月曜、第4日曜

※フリーマガジン「Chai」2024年10月号より。
※撮影/辻博希、スタジオ・イッセイ 高橋一生。写真の無断転用は禁じます。