十勝毎日新聞電子版
Chaiでじ

2024年11月号

特集/レトロかわいい十勝

そばのおいしい季節です(8)「今日の気分に応える十勝そば屋めぐり~蕎麦 二天 、そばんど 別邸」

一番人気は、〈ざる2色かしわ〉1,150円。冷たいつけ汁と鶏のうま味がしっかりきいた温かいかしわそばのつけつゆが味わえる。かしわにはしっとり煮たむね肉と親鳥、鶏団子入り

 毎日通っても制覇できないほどそば屋が充実している十勝。店の雰囲気や好みに合わせて選べる個性派のそば屋を紹介します。

音更町 バリエーション豊かな麺を楽しみたい
蕎麦 二天
 店主の川崎年尉さんはアルバイトから腕を見込まれて、店を任された2代目。連日、営業終了を待たず完売してしまうほどの人気店に成長させた。

 つゆは、ざる用とつけ・かけ用で2種類のかえしを使い分け、カツオをメインに宗田、昆布などのだしで割る。ざるには1番だしのみを使うなど先代から受け継いだ技を丁寧になぞる。

 麺は大樹の海霧そばを使った、しっかりコシのある二八そば。そばの皮をむかずに石臼で引いた風味豊かな黒そばと皮をむいた喉越しのいい白そば、白そばに抹茶を練りこんだオリジナルの茶そばの3種類から選べる。妥協しない仕事ぶりが人気の秘密だ。

白を基調とした店内はそば屋とは思えないほどおしゃれ。店内には1人用のカウンターを用意し女性でも入りやすい

「接客してくれるスタッフの笑顔や細やかな気配りがお店を支えています」とはにかむ川崎さん


音更町木野西通13丁目1-5 
Tel:0155・30・0210
営:11時~14時15分(なくなり次第終了) 
休:日曜



7種類の小鉢の盛り合わせにそばとドリンクがつく〈花かごセット〉は、地元産の食材を季節にあわせて用意


帯広市 そば飲みの文化を堪能したい
そばんど 別邸
 住宅街にひっそりと「呑(のみ)」ののれんがはためく。同店では利き酒師の資格を持つ店主吉田武馬さんが提供する、「蕎麦前(そばまえ)」の食文化を楽しめる。

 そば屋ならではの天ぷらやだしの利いた料理と全国から選りすぐった100種類を超える地酒がそろう。そばは、十割、二八、田舎の計10種類を毎日手打ち。粉や太さも好みや食べ方に合わせて使い分け、つゆも2種類用意するこだわりようだ。

 「お客さんが食べたいというものは可能な限り用意したい」と吉田さん。予約すれば自分好みのそばを打ってもらうことも可能。ここではささっとではなく、じっくりとそば文化を味わいたい。

そばと並んで同店の代表メニューの馬刺し。他では見ない希少部位も豊富に取りそろえる

4年ほど前に本店を閉めて別邸のみに。「常連客の親しみを込めて、夜は別邸のまま営業しています」と吉田さん


帯広市西2条南30丁目5-7 
Tel:0155・66・9730
営:11時30分~15時、18時~22時(LO各1時間前)※20時以降は予約制 
休:不定

※フリーマガジン「Chai」2024年10月号より。
※撮影/スタジオ・イッセイ。写真の無断転用は禁じます。