十勝毎日新聞電子版
Chaiでじ

2024年8月号

特集/十勝で涼む

Chai探偵団(4)「上士幌町役場 デジタル推進課」

フランス製の自動運転バス「ナビヤ アルマ」を導入。車体には十勝にちなんだカラフルなイラストが描かれている

Mission
 上士幌町で話題の自動運転バスを見かけました。全道初の試みという「未来の乗り物」について教えて!(30代・女性)

 デジタル化の波は、身近な交通手段にも。「時代に乗り遅れてたまるか!」とアラフィフの意地を見せ、団長が噂の現場へ足を運んだ。

 上士幌町で自動運転バスの実験が始まったのは2017年。19年に公道での運転がスタートし、22年から定期運行を実施。現在は、運転手を必要としない「レベル4」の実施に向けて準備を進めている。「人手不足の解消や町民の移動手段の確保に役立てるほか、新しいビジネスモデルとしても確立できれば」と、町役場デジタル推進課の主査・鈴木勇汰さんは意気込む。

 そして待望の車内へ。当然ながら運転席は見当たらず、オペレーターが運転を補助するのみ。それでも発進やブレーキはスムーズで、うたた寝できそうな心地よさだ。AI車掌・萩音士清平(しゅうおんじきよひら)氏のアナウンスも楽しく、運転手不在によるデメリットは感じない。

 バスは信号や走行車に混乱することもなく、コースを完走。地元客も慣れた様子で乗車し、「上士幌の足」として定着している。時速約20kmのスローなドライブに和みつつ、十勝の明るい未来を想像する団長だった。

乗車定員は8人。今はオペレーターが乗車しているが、将来的には完全無人の運行を目指す

萩音士清平という名前は、上士幌にある地名の一部を取って付けられた。通称「おきよちゃん」

右から町役場デジタル推進課の主査・鈴木勇汰さん、同課の阿部千紘さん。町民はもちろん、町外の人の乗車も歓迎する


<上士幌町役場 デジタル推進課>
上士幌町上士幌東3線238 
Tel:01564・7・7230(8時30分~17時15分)
※道の駅循環線は月・木・土曜、西団地・北団地循環線は月・木曜に運行。乗車は無料。
運行スケジュールはの町HPの「自動運転バス」からチェックを

◇今月はずっきー団長
IT全般に苦手意識がある、典型的な昭和世代。しかし本に関しては電子書籍派


Chai探偵団
十勝っ子の「?」を調査し紹介するChaiの連載です。

※フリーマガジン「Chai」2024年8月号より。
※撮影/平栗玲香。写真の無断転用は禁じます。