十勝毎日新聞電子版
Chaiでじ

2024年12月号

特集/新店でめぐる2024年

はさんでおいしいLet'sサンド!(1)「トレーラーバーガーより愛を込めて~TRAILER BURGER99」

トレーラーバーガーより愛を込めて 
 八木さん夫婦による移動販売のハンバーガーショップ。十勝産の食材を使った“クラフトバーガー”で地元のよさを届けています。店を開くまでの物語と、ユニークな販売形態に迫ります。


TRAILER BURGER 99(トレーラー バーガー 99)
 まるで巨大なハンバーガーが動いているような、ひと際目を引くキッチントレーラー。道産・十勝産食材の魅力を発信すべく、昨年オープンしたハンバーガー専門店だ。幅広い地域や、世代に届けるために、あえて店舗は持たず移動式の大型トレーラーで管内各地を動き回る。

 店を切り盛りするのは幕別町出身の八木琢磨さん、帯広市出身の結依さん夫婦。2人に転機が訪れたのは、今から4年前の2020年。琢磨さんが29歳の時、白血病の病に倒れた。突然告げられた入院生活に、死を覚悟したという。闘病中、見舞いに訪れた農家の友人が〈十勝川西長いも〉をはじめとする十勝産食材を提供。十勝出身者としてこれまで気にしていなかった野菜の新鮮さやおいしさに強く胸を打たれた。「どうにかこの感動を日本中に広げたい」。野菜をはじめ、小麦や肉牛、乳製品が豊富な十勝の食材と、それらすべてを一度に味わえるクラフトハンバーガーに可能性を感じ、ハンバーガー専門店が誕生した。

 ハンバーガーはバンズ、パティ、野菜すべてに道産・十勝産食材を使用。表面を焼いてカリカリにした道産小麦100%で作るバンズに、パティは上士幌町などで生産する〈十勝ハーブ牛〉100%。野菜のうま味を消さず、存在感ある肉々しいパティにするという欲張りな思いを叶える。シイタケや昆布などでだしをとり、十勝産タマネギを炒めて3日ほどかけてじっくり作る自家製和風オニオンソースなどこだわりが光る。

 メムロピーナッツや北王農林(幕別)、みさき食堂(帯広)とのコラボなど地元企業とのメニュー開発にも積極的。「ハンバーガーを作り上げるように、人と地域の和を広げていきたい。子ども食堂、福祉施設などとも連携し、食育にも携わっていけたら」と夢を膨らます。トレーラーを見かけるだけでワクワクするそんな愛される存在になれるように、「どこでも、誰とでも、ハンバーガーを」を胸に、今日も夫婦二人三脚で大切に作ったハンバーガーを届けに行く。

手前から看板メニューの〈十勝川西長いもベーコンバーガー〉1,300円、3種類のチーズを使用した〈トレーラーチーズバーガー〉1,000円、子どもにもちょうどいいこぶしサイズのミニバーガー〈ポテミニバーガー〉600円。作り置きをせず、注文を受けてから調理する。出来たてが一番だが、家に持ち帰る際は電子レンジ500Wで30秒ほど温めて

気持ちのよい笑顔で客を出迎える妻の結依さん。レシピは東京や名古屋などのグルメバーガーを食べ歩き、独学で開発。管内を中心に移動販売、デリバリーの対応も。「出店時のタイミングが合わず行けない」など諦める前に一度、2人に相談を(配達の条件あり)

約2カ月かけて、内装から外装までフルリフォーム。窓枠に瓶ジュースを開けるための栓抜きを付けるなど2人の遊び心が随所に光る

鮮やかな手作り商品POPが客の目に留まる。食材の詳細や特徴を細かく説明する。どれにしようかと選ぶ時間も楽しい

店頭に設置する〈トレバガチャ〉。缶バッジやキャップなど「トレバガ」限定グッズやお得なクーポンが当たる。アプリダウンロードで1回無料。以降来店スタンプ5個で1回引ける。アプリに登録すると出店情報や限定クーポンなど便利な機能もたくさん。詳しくはインスタグラムのプロフィールからチェックを


Tel:090・2814・0909
営:11時~完売次第閉店
休:不定(週末中心に営業)
出店場所はインスタグラムにて

HP
インスタグラム

※フリーマガジン「Chai」2024年5月号より。
※撮影/辻博希。写真の無断転用は禁じます。