おでかけスイーツ部(69)「ピーコックス」
左から時計回りにクルミとタルト生地が香ばしい〈グリゾン〉259円、ふんわりとやわらかな口当たりの〈サバラン〉259円、酸味と甘さのバランスがおいしい〈ルバーブ〉216円。奥にある木の魚たちは、スキューバダイビングと木彫が趣味の玉池さんによる作品だ
「ピュアな素材で作るのがうちのお菓子!」と話すのは店主の玉池由紀子さん。添加物はもちろんマーガリンやショートニングは不使用で、良質なバターと生クリームを使うことに徹底的にこだわっている。
牧場に隣接する、こぢんまりした店舗のショーケースに並ぶのは、ドイツなどヨーロッパを中心とした素朴なケーキや焼き菓子だ。〈ルバーブ〉は店舗横の果樹園で栽培しているルバーブをジャムにし、堅く立てた生クリームをトッピングした、甘酸っぱさとクリームの濃厚さが絶妙なタルト。一番人気の〈グリゾン〉はタルト生地にキャラメルナッツがぎっしりと層になり、クルミ好きにはたまらない。さっぱりとしたパン生地に爽やかなシロップがかかった〈サバラン〉も飽きないおいしさだ。
シンプルながら魅力的なケーキを作る玉池さんは、1970年に夫の俊隆さんとともに道外から就農し、「2001年に、ぼけ防止に店を構えた」と朗らかに笑う。木工作業や陶芸など「作ること」全般が得意な玉池さんの作る、純朴なケーキを求めてドライブしては。
<ピーコックス>
上士幌町上音更263
Tel:01564・2・4074
営:10時~17時
休:木曜
◆おでかけスイーツ部
十勝のスイーツを求めて、Chai編集部が各店を訪問する連載企画です。
※フリーマガジン「Chai」2023年6月号より。
※撮影/辰巳勲。写真の無断転用は禁じます。