勝毎電子版ジャーナル

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越冬終盤になると小さくなるもの 南極先生 再び極地へ(29)

柴田 和宏

南極観測隊員(元小学校教諭)

 昭和基地に待ちに待った来客が来ました。人間ではありません。その名はコウテイペンギン。「そろそろ来てもいいころなんだけどね」「来ないね」「今年は来ないのかな」そんな会話をしていた矢先にやってきた待望の来客に、基地内は色めき立ちました。色鮮やかなオーロラ。どこまでも続く白い世界。美しい星空。氷山。アデリーペンギン。越冬中に見たいと思っていた願いがいくつも叶えられてきた中で、コウテイペンギンにも出...