勝毎電子版ジャーナル

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片付いた部屋にバッグ二つ きょうは基地を去る日  南極先生 再び極地へ。(35)

柴田 和宏

南極観測隊員(元小学校教諭)

 2022年2月1日。昭和基地で過ごす最後の日がやってきました。南極の夏らしく朝から強い日差しが降り注いているものの、風が強くサングラスをしていないと目に砂ぼこりが入るほどでした。前日までに私物の積み込みをほとんど終え、残った荷物はダッフルバッグとザックのみ。1年間暮らした居室はがらんとして、次の住人を迎える準備が整っています。
1年間暮らした居室
 最後に仕上げの掃除をし、越冬交...