勝毎電子版ジャーナル

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サクラの香りで帰国を実感 そして友との別れ 南極先生 再び極地へ。(37)

柴田 和宏

南極観測隊員(元小学校教諭)

 昭和基地をたってから約1カ月後の3月6日、私たちを乗せたしらせは日本に向かって北上を始めました。2月末まで実施していた南極大陸周辺の海洋観測が終了したためです。「これで流氷や氷山も見納めかな」と思い、甲板に出て写真撮影。多くの人が同じ思いかと想像していたのですが、甲板には人影がまばら。「自分が感傷的なのかな」と思いながら流氷にレンズを向けましたが、すぐに人影がまばらな理由が分かりました。風が...