2024年4月号

特集/ときめきのプリン&愛しのシュークリーム

おでかけスイーツ部(14)「ピリカル珈琲店」

〈デザートプレート〉1,000円。手前中央から時計回りにガトーショコラ、リコッタチーズのケーキ、クレームダンジュ、自家製ラムレーズンとかぼちゃのタルト、りんごのタルト、バナナとナッツのタルト。〈ピリカルブレンドコーヒー〉400円と一緒に

父のコーヒー、私のケーキ
 木の温もりある店内に、柔らかな空気が満ちる。「どれも父がいれるコーヒーに合うケーキです」。デザートプレートを前に、緒方彩子さん(37)の顔がほころぶ。

 父・清さん(74)と共に6月、家族の夢だった喫茶店を大樹町晩成にオープンした。清さんは若い頃から好きだった喫茶店めぐりが高じ、豆や焙煎にこだわるコーヒーを家で振る舞うように。よくケーキを焼いていた母の影響もあり、彩子さんは製菓専門学校を経て、札幌のカフェなどで修業を積んだ。

 プレートは、湖水地方牧場(幕別)のリコッタチーズを使ったケーキなど、日替わりで5、6種が載る。ふわりとしたチーズケーキは、少しのクリームチーズを入れて風味よく仕上げた看板スイーツのひとつ。どれも洋酒が香る優しい味で、雑味なくすっきりとしたコーヒーとよく合う。

 店内はジャズが流れ、「コーヒーやケーキ、音楽も。実は緒方家の日常なんです」と笑う彩子さん。優しい味と心地よさは、温かな“緒方家”にお邪魔しているからか―。

愛用のミルを使い手動で豆をひく清さん

リキュールのアマレットが利いた〈ティラミス〉400円も人気


<ピリカル珈琲店>
大樹町晩成274-2
Tel:01558・7・8008
営:11時~ 17時 
休:火・水曜
※1、2月は冬季休業(変更あり、要問い合わせ)

「ゆったりとおいしいものを楽しんでください」と緒方清さん(左)と彩子さん


おでかけスイーツ部
十勝のスイーツを求めて、Chai編集部が各店を訪問する連載企画です。

※フリーマガジン「Chai」2018年11月号より。
※撮影/辰巳勲。写真の無断転用は禁じます。