おでかけスイーツ部(19)「棚谷菓子舗」
もち米100%、技光る平成の味
平成時代に思いはせ、味わいたい餅がある。池田町・棚谷菓子舗の〈平成餅〉。町内で農業を営んでいた先代の棚谷政市さんと妻のしず子さんが、地元の「田中菓子店」を継いだのが平成元年。仕事始めの1月11日と新たな元号にあやかり、誕生した餅だ。
田中菓子店の〈古代餅〉がベースで、保存料を一切使わないもち米100%。モーター式の石臼と杵でついて手返しし、手で丸める昔ながらの製法を守るのは、「気候などの条件で米は変化するものだから」と2代目・棚谷勝行さん、姉の弘美さん。米と対話するごとく水やつき加減を調整する手間を知ると、おいしい理由がひもとける。
米の甘さを引き立てるため塩味を利かせた餅は、「塩大福」と呼ぶ常連もいるほど。独特の歯ごたえで、十勝産小豆で炊き上げたこしあんとの相性は無論。口こみで訪れる来客の半分以上が町外からだという。
さて、新元号になるが―?「名前もこのまま。変えずに作る方が難しい餅だもの」。移ろう時代、変わらぬ味を求めたドライブも粋である。
平成時代に思いはせ、味わいたい餅がある。池田町・棚谷菓子舗の〈平成餅〉。町内で農業を営んでいた先代の棚谷政市さんと妻のしず子さんが、地元の「田中菓子店」を継いだのが平成元年。仕事始めの1月11日と新たな元号にあやかり、誕生した餅だ。
田中菓子店の〈古代餅〉がベースで、保存料を一切使わないもち米100%。モーター式の石臼と杵でついて手返しし、手で丸める昔ながらの製法を守るのは、「気候などの条件で米は変化するものだから」と2代目・棚谷勝行さん、姉の弘美さん。米と対話するごとく水やつき加減を調整する手間を知ると、おいしい理由がひもとける。
米の甘さを引き立てるため塩味を利かせた餅は、「塩大福」と呼ぶ常連もいるほど。独特の歯ごたえで、十勝産小豆で炊き上げたこしあんとの相性は無論。口こみで訪れる来客の半分以上が町外からだという。
さて、新元号になるが―?「名前もこのまま。変えずに作る方が難しい餅だもの」。移ろう時代、変わらぬ味を求めたドライブも粋である。
<棚谷菓子舗>
池田町利別西町24-22
Tel:015・572・3740
営:9時~18時
休:火・水曜
◆おでかけスイーツ部
十勝のスイーツを求めて、Chai編集部が各店を訪問する連載企画です。
※フリーマガジン「Chai」2019年4月号より。
※写真/辰巳 勲。写真の無断転用は禁じます。