2024年4月号

特集/ときめきのプリン&愛しのシュークリーム

おびひろ老舗湯めぐり(5)「朋の湯温泉」

たっぷりたたえる茶褐色の湯は、微弱硫化水素臭がする「。入浴後はぐっすり眠れるよ」という常連も

肌を優しく包む 受け継がれるモール泉
 浴室に入ると、香りで温泉の濃さが分かる。源泉掛けながしの植物性モール泉で、「お湯しか自慢がなくて」と管理・運営する瘧師(ぎゃくし)寿康さんと妻の祐子さんは謙遜する
が、良質な泉質を求めて十勝管内外からファンが絶えない。

 オーナーで寿康さんの父・寿雄さんが1969年(昭和44)年、銭湯「寿々(すず)の湯」を購入し、「朋の湯」として営業を開始。81年には地下1,319mの源泉を掘り当て、建物も新たに「朋の湯温泉」と改めた。とろりとした湯は肌を優しく包み、じっくりと体を温めるのがおすすめ。大工だった寿雄さんこだわりの内装は当時の面影を残し、ほっとする心地よさがある。「利用する人がいる限り、湯を守り続けたい」と祐子さん。変わらぬ営みが魅力だ。

明るい脱衣室は、ロビーと共に地域の人々の交流の場にもなっている

1970年代、「朋の湯」だった頃の建物(帯広百年記念館所蔵)


帯広市西11条南15丁目4
Tel:0155・24・1238
営:13時~23時
休:月曜
料:大人440円、小学生140円、幼児(未就学児)70円


※フリーマガジン「Chai」2018年5月号より。
※撮影/辻博希。写真の無断転用は禁じます。