十勝毎日新聞電子版
Chaiでじ

2024年11月号

特集/レトロかわいい十勝

おびひろ老舗湯めぐり(4)「君乃湯温泉」

大浴槽や電気風呂、バイブラなど4種を備えた浴室。女湯はピンク色のタイルがかわいい

天窓で開放感 ツルツルになる美人湯 
 現店主・佐藤ツセさんの夫で、畑作農家だった君夫さん(故人)が1967(昭和42)年に開業した。店名は君夫さんの一字から。84年からは温泉として営業し、建物は91年にリニューアルした。

 泉質はpH8.8のナトリウム―塩化物泉。保湿性と肌の汚れを落とす作用に優れ、入浴後はツルツル感に思わず腕や顔をなでてしまうほど。浴場には大きな天窓も備え、さながら露天風呂のような開放感も魅力だ。

 取材時、開店時間を待たずに常連客が広々としたロビーに集まってきた。床で新聞を広げたり、談笑したり。「いつもの風景だよ。のんびりお湯を楽しんでほしいね。帯広には温泉が多い。めぐるのも楽しいよ」と優しい笑顔を見せる君夫さんの長男・設夫さん。帯広全体の温泉の盛り上がりを願うおおらかさもすてきだ。

浴室の天窓。日射しが気持ちいい

開業当時の店舗。周囲は畑が広がり、地域の貴重な湯どころだった(帯広百年記念館所蔵)


帯広市西5条南32丁目19
Tel:0155・48・2435
営:11時~23時
休:毎月15日(日祝のときは翌日)
料:大人440円、小学生140円、幼児(未就学児)70円


※フリーマガジン「Chai」2018年5月号より。
※撮影/辻博希。写真の無断転用は禁じます。