2024年4月号

特集/ときめきのプリン&愛しのシュークリーム

パンが好き。(3)「チャンスがあったら即ゲット! 売り切れ必至のパン」

早い者勝ちだったり、数量限定だったり…。人気過ぎて手に入らないこともある、十勝で話題のパンを紹介します。狙いを定めてお店へGO!

高橋菓子店の甘納豆食パン
750円

※焼き上がりは14時(予約不可)
 取材日は台風の影響を受けての大雨。それでも甘納豆食パンが焼き上がる30分前には、店の前に長い行列ができていた。店頭に並ぶと、用意したパンが瞬く間に売れていく。

焼き上がりの時間を目指して、全道から客が訪れる。10分もしないうちに完売してしまった


 多くの人をトリコにするのが、優しい甘さの金時豆とふわりとした生地のハーモニー。1957(昭和32)年の創業以来、改良を加えながらも、皆に愛される味を大切に守ってきた。長男の高橋広信さんと母の公子さんは「どうしてお客さまが来てくれるのか…」と感謝を口にするが、ひと口食べれば人気の理由がわかる。心が温かくなる素朴な味わいは、誰かに教えたり贈ったりして広めたくなるのだ。

〈本食パン〉1本700 円、ハーフ360円も即完売するほどの人気。10時30分、16時、17時に焼き上がる


足寄町北2条1丁目25
Tel:0156・25・2272
営:10時30分~19時 
休:日曜

真心込めてパンを焼く、長男で常務の高橋広信さんと母の公子さん




朝日堂のアメリカンドーナツ
右から〈生クリーム〉120円、〈カスタード〉130円。全7種あり

 祝日には約4,000個も売れるという、驚異のドーナツ。この看板ドーナツが誕生したのは37年前、店舗をリニューアルした時のこと。代表・岡本良一さんが「気楽に手に取れる商品を作りたい」と考案した。脂っぽさがなく、飽きがこないドーナツは、発酵に工夫を加えた独自のレシピから生まれる。温度に影響されやすい繊細な生地だが、おいしさは格別。クリームやあんなどもすべて手作りし、“朝日堂だけの味”を確立している。


豊頃町茂岩本町30
Tel:015・574・2402
営:9時~20時 
休:月・火曜




トカトカ木野ハピオ店のトカショク
1斤260円、2斤300円

※1人1日限定2斤まで(前日から予約可)
 しっとりモチモチの新食感が口コミで広がり、前日に予約しなければ手に入らないほどの人気ぶり。おいしさの秘密は、手間暇を惜しまない製造工程にある。自家製の酵母に加え、食パン専用の酵母も使用。熟成や発酵を重ねて小麦のうま味を引き出し、完成までに4日もかかるそう。また水分をたっぷり練り込むことで、独特なモチモチ感が生まれる。まずは何もつけずに頬張り、パンそのもののおいしさをじっくりと満喫したい。


音更町木野大通西7丁目1
Tel:0155・30・8222 
営:10時~21時
休:不定(ハピオ木野店に準ずる)



菓子の家のクロワッサン
216円

※焼き上がりは11時(前日から予約可)
 代表・佐藤孝之さんの“クロワッサン好き”が高じ、3年ほど前から商品として並べたところ、大人気となった。佐藤さんはクロワッサンを「パイの延長線上にあるもの」と考えている。生地を成形するまで発酵を抑え、美しい層が生まれることにこだわった。さらにフランスパン用の粉を使用することで外がサクッ、中はモッチリとした食感に。芳醇(ほうじゅん)な発酵バターで味と香りに深みを添え、高級感がある一品に仕上げている。


帯広市西9条南11丁目
Tel:0155・66・9035
営:10時~20時 
休:火曜




カモク堂のフルーツサンド
864円
(店舗販売価格)
 ケーキにも見劣りしない美しいサンドイッチ。十勝産小麦と自家製天然酵母で作るパンが評判のカモク堂で、7月に新登場した。純ココアを練り込んだ山食で、鹿追町マインファームのイチゴやよつ葉「純生クリーム47%」をサンド。ペースト状にしたオレンジピールの酸味もアクセントに。オーナーシェフの末永陽子さんが「地元素材でおいしいパンを届けたい」との思いを込めた、自慢の一品。期間限定の販売なのでお早めに。


鹿追町東町2丁目6-60 
Tel:0156・67・7033
営:11時~17時(パンがなくなり次第閉店)
休:日・月曜、水~金曜(火・土曜営業)


※フリーマガジン「Chai」2018年10月号より。
※撮影/辻博希。写真の無断転用は禁じます。