2024年4月号

特集/ときめきのプリン&愛しのシュークリーム

十勝の“さしすせそ”(6)「そ 1日の元気をもらえる 愛情たっぷりのみそ」

みそ本舗大樹のメンバー(右から3番目が代表の白幡さん)。作業中はいつも笑いが絶えない

 毎日口にするものだから、安心・安全な食材にこだわりたい。そんな思いから誕生したのが、みそ本舗大樹の〈まごころ味噌〉。添加物などは一切使用せず、素材のうま味を生かして手づくりしている。

 同会の代表・白幡美代子さんは管理栄養士でもあり、かねてから食育について強い関心を寄せていた。昔ながらのみそで、食の大切さと地元素材の良さをPRできれば―。そうして2013年、白幡さんと町の消費者協会のメンバーを中心に、みそ本舗大樹は結成された。

〈まごころ味噌〉750g 700円。道の駅・コスモール大樹などで販売中


 メンバーは大樹町在住の男女6人。仕事や家事の合間を縫って、週末を中心に道の駅・コスモール大樹で活動している。みそに使用する地元産の青大豆は、一般的な大豆と比べて甘みが強く皮も軟らかい。さらに水を使わず圧力鍋で蒸し上げることで、うま味を凝縮している。そのほかの素材も本別町の麹や海水で作った天然の塩など、すべて吟味したものだ。

大樹町で行われたみそづくり講習の様子(今後の開催は未定)。地元素材のPRにひと役買うことも


 みそづくりは1年間の長丁場。1~2月に仕込みを行った後、8月末までに1度かきまぜてさらに熟成させる。商品になるのは翌年の1月ごろだ。完成後も発酵が進んでいくため、口当たりの良い「生きたみそ」になる。「『自然なものを食べたい、食べさせたい』という思いが原点」と、白幡さんは笑顔で話す。

貯蔵庫でゆっくりと熟成されるみそ。今年は2日がかりで100㎏ のみそを仕込んだ


 メンバーが家族や友人を思いながらつくったみそは、素朴で優しい味わい。その名のとおり、真心をたっぷりと感じられる。

白幡さん考案のみそドレッシング。みそ55g、トマトソース50g、みりん10g、オリゴ糖15g、酢15g、オリーブオイル25g、だし汁10gを混ぜるだけ。好みで七味唐辛子を


<みそ本舗大樹> 
Tel:01558・6・2527

※フリーマガジン「Chai」2018年11月号より。
※撮影/辰巳勲。写真の無断転用は禁じます。