2024年4月号

特集/ときめきのプリン&愛しのシュークリーム

十勝の“さしすせそ”(2)「す 更別農業高校」

ちょっと味見…!左から中井康貴さん(2年)、安田さん、藤川耕一路さん(同)

わが村の特産、ビネガーソースに
更別農業高校

 ニンジンやタマネギなどの野菜をカットし、煮詰めてフードプロセッサーにかけて…。更別農業高校加工分化A研究班の生徒が挑むのは、更別村産「金時豆」のビネガーを使ったソースだ。

材料の金時豆と、ソース作りの最後に加える金時豆のビネガー


 同校がビネガー作りを始めたのは2017年から。地元産物の付加価値向上を狙いに、前任校から取り組む菊池直樹教諭が指導する。金時豆のソースは第3弾。主役であるビネガー
は村内の松橋農場の金時豆を使用し、天然アミノ酸の一種「GABA」の栄養素を高める工程を経て、酢酸菌を加えて約1カ月間、熟成発酵させて完成させた。

ソースは心をこめてすべて手作業で行う


 ビネガーは、豆のうまみが強くまろやかだ。水で割った飲料や酢のものもおいしいが、ソースにするとまた格別。同校や村内で収穫した野菜が7種入り、更別産が詰まっている意味の商品名〈更別これ一本〉にも納得する。

 「金時豆の生産量は村が日本一。豆をPRするために作ったのでぜひ味わって」と班長の安田梨子さん(2年)。地域への思いがこもった手づくりソース。料理の味つけや手土産としてぜひ。

〈更別これ一本〉。スモモビネガーとトマトビネガーを入れた第1弾(右)と、黒大豆を入れた第2弾(左)も。それぞれ村特産のスモモが入り、各500円。村内の道の駅や一部料理店で販売している


※フリーマガジン「Chai」2018年11月号より。
※撮影/辻博希。写真の無断転用は禁じます。