2024年4月号

特集/ときめきのプリン&愛しのシュークリーム

おでかけスイーツ部(6)「ル・ボルドー」

〈カヌレ・ド・ボルドー〉648円はコーヒー味のクリームとシャーベットを添えて。カヌレは1個162円で持ち帰りも可

本場のカヌレ、十勝にあり
 「カヌレ・ド・ボルドー」は、フランス・ボルドー地方で愛されている伝統菓子だ。独特の形をした銅製の型で焼き、ボルドーでは約350軒もの販売業者がある。

 日本での流行は1990年代中ごろ。ボルドーを店名に掲げていたレストラン「ル・ボルドー」のオーナーシェフ加藤和彦さん(63)は当時、慌てて修業していたフランスの老舗レストラン「ダローズ」で働く友人から、大切なレシピを送ってもらったという。恩を胸に試作を重ね、程なくメニュー化した。

 生地は十勝産の小麦粉やバター、牛乳、砂糖に加え、香りづけのバニラやラム酒とシンプルだ。蜜ろうを塗った型に流し、約200℃で40~50分焼く。温度と時間の見極めが勝負。表面は艶やかにカリッと焦げ、中は意外なほどしっとり。洋酒の香りが上品だ。

 昨年ダローズを訪れ、カヌレ作りを見学した。「20年来の作り方が正しいか確かめたくて」と感謝を新たにする加藤さん。想いが宿る本場のカヌレ、そのおいしさは格別だ。

ダローズのオーナーから昨年もらったカヌレの証書。「精神を継いで」のサインも

〈焼きりんごとアイスクリームのパイ重ね〉648円





<ル・ボルドー>
帯広市西16条南5丁目17-9
Tel:0155・38・3440
営:11時30分~14時30分、
17時30分~22時
休:水曜、第3火曜

「カヌレの伝統をこれからも伝えていきます」と加藤和彦さん


◆おでかけスイーツ部
十勝のスイーツを求めて、Chai編集部が各店を訪問する連載企画です。

※フリーマガジン「Chai」2018年3月号より。
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