十勝毎日新聞電子版
Chaiでじ

2024年11月号

特集/レトロかわいい十勝

温活のススメ(2)「ホットな体には食が基本」

 冷え性対策に良い食材について、幕別ふるさと味覚工房で指導している栄養士の近藤明美さんにお聞きしました。また、体を温める料理も提案していただきました。

血行不良の改善を促す栄養素 ビタミンE・鉄分の摂取が大切です

 近藤さんは、血行を促進する主な栄養素として、「血管を広げる作用があるビタミンEや酸素を全身に送る鉄分があります」とし、鉄分が多い食材は、牛・豚・鶏のレバーや大豆製品、青のり、干しひじきなどをあげました。ビタミンEが豊富な食材は、カボチャや赤ピーマン、サケ、ツナオイル缶詰、アーモンドなど。近藤さんは、他に「トウガラシに含まれ、辛味の成分であるカプサイシンは、血行を促進して体温を上げ、もち米は体を温める作用があります」と教えてくれました。

 さらに、栄養は単体で取るだけでなく、他のものと組み合わせることによって吸収率が高まる場合もあるそうです。         
   
 近藤さんは「牛乳やナチュラルチーズに含まれるラクトフェリン、ビタミンCは、鉄分の吸収をサポートしてくれるので一緒にとると良いでしょう」と薦めています。

 近藤さんは、栄養素だけでなく「食事は、主食、主菜、副菜をバランス良く、規則正しくが基本です」と強調し、料理は「ネギやショウガなどを取り入れ、夏が旬の野菜は、基本的に体を冷やす作用があるので、温野菜にするなど加熱して食べると良いと思います」と話します。料理の注意点として塩分を上げ、「過度な塩分摂取は体液の濃度を高め、血液の流れが悪くなり、体の冷えにつながります」と話しています。

とかちの豆いっぱいとミートボールの入ったトマトシチュー


<材料>
◆花豆、金時豆、大豆…各50g
 (豆類はあらかじめ水煮しておく。水煮の缶詰でもOK。缶詰の場合は各100g)
◆タマネギ…中1個
◆ニンジン…中1個
◆サラダ油(炒め用)…大さじ1
◆豚ひき肉…200g
◆塩・コショウ…適量
◆パン粉…大さじ2
◆卵…小1個
◆薄力粉…適量
【A】
◆トマト水煮缶…1缶
◆トマトケチャップ…大さじ3
◆しょうゆ…大さじ2
◆オレガノ…適量
◆オールスパイス…適量

<作り方>(4人分)
(1)タマネギは3㎝角に切り、ニンジンは1㎝程度のサイコロ状に切ってサラダ油で炒める。
(2)ミートボールは、豚ひき肉に塩・コショウ、パン粉、溶き卵で練り合わせ、丸めて薄力粉をまぶしてサラダ油で揚げる。
(3)(1)に水煮した豆を加えてAの材料を加えて煮る。
(4)豆の皮がはじけないように火加減に注意しながら煮て、ニンジンに火が通ったら、ミートボールを入れ弱火にした後、予熱で味が染みるまでおく。
※食べるときに温めて直して盛り付ける。

炊飯器で作るあったか中華風おかゆ


<材料>(4人分)
◆白米…1合
◆鶏肉(手羽先、手羽もといずれか)5本程度※酒に浸し臭みを取る
◆生ショウガ 薄切り…3~5枚
◆むき甘栗…5~8個
◆中華コンソメ…小さじ1と1/2
◆たくあん(みじん切り)…適量
◆糸トウガラシ… 適量
◆カイワレダイコン… 適量

<作り方>
(1)米を洗い、炊飯器のおかゆの水分量にセットし、20分程度浸す。下処理した鶏肉、薄切りショウガ、むき甘栗、中華コンソメを炊飯器の中へ入れ、炊飯器の「おかゆモード」で炊く。
(2)炊きあがり後、茶碗に盛り付け、添え物を加える。

炊飯器におかゆモードがない場合は、鍋でも炊けます。
(1)米を洗い、ザルで水を切ります。
(2)鍋に米と水を入れる(米1/2合に対して水600~900㎖を基本に)
(3)鶏肉、生ショウガ、むき甘栗、中華コンソメを入れて、中火にかける。
(4)煮立って白く泡立ったら、しゃもじで鍋底を混ぜる。
(5)しっかりと煮立ってきたら、弱火にして蓋をする。少し隙間をあける。
(6)30~40分、弱火にかける。

甘酒ミルクのホットなぜんざい


<材料>(4人分)
◆カボチャ(下ゆでする)…5㎝大8個
◆小豆(缶詰め)…150g
◆バナナ…1本
◆甘酒…180㎖
◆牛乳…180㎖
※甘酒をココナツミルクに代え、砂糖、牛乳の組み合わせでもOK

白玉の材料(抹茶とココアの2種類。分量は1種類当たり)
◆白玉粉…2/3カップ
◆ 砂糖…小さじ1
◆水…1/2カップ
◆ココア…小さじ2
◆ 抹茶…小さじ1

<作り方>
(1)白玉は、白玉粉、砂糖、ココアまたは抹茶を入れ、よく混ぜた後、少しずつ水を加え、耳たぶと同じくらいのやわらかさになるように練る。直径が10円玉大のボール状にしてゆでた後、流水であら熱を取り、ざるで水気を切っておく。
(2)バナナを輪切りにする。
(3)甘酒と牛乳を合わせ温める。
(4)(3)に2種類の白玉団子、バナナ、下ゆでしたカボチャを入れて温めてから、器に盛り付ける。
(5)小豆を電子レンジで温めて、④に適量のせる。

<教えてくれた人>
近藤明美さん


幕別町の食品加工施設「幕別ふるさと味覚工房」(幕別町新和162)の指導員。栄養士の資格を持ちソーセージやパン、みそ、チーズなどの加工を指導しています。施設の使用料などはお問い合わせください。

◇幕別ふるさと味覚工房◇
Tel:0155・57・2001

※フリーマガジン「Chai」2019年1月号より。
※撮影/辻博希。写真の無断転用は禁じます。

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