2024年4月号

特集/ときめきのプリン&愛しのシュークリーム

おでかけスイーツ部(22)「お菓子の館 あくつ」

〈ミルクロード〉は1袋2個入りで180円。“十勝のミルク”を表現したホワイトチョコレートは、スポンジを引き立てる優しい甘さ

菓子で味わう十勝の風景
 生乳を出荷するとき、タンクローリーが通る道を「ミルクロード」と呼ぶ。十勝ではなじみ深いこの道をイメージした菓子〈ミルクロード〉。ふわりとした豊かな食感と甘さに引かれるのは、先人から営む風景への愛しさか―。

 3代目の安久津充由さんの父・允重さんが約40年前、十勝らしい菓子をと考案した。バターやはちみつの風味たっぷりのスポンジを、真っ白なホワイトチョコレートで挟んだシンプルな菓子は、生地の素材選びが生命線。「スポンジは卵と小麦粉、砂糖のバランスが大切。季節や素材の状態を見極めて作り方を変えています」と充由さん。焼き上がりを確かめ、薄いスポンジに手際よくチョコレートを塗る眼差しは、鋭い。

 芽室町の画家・園田郁夫さんが手がけたサイロと牛のパッケージ画も手伝い、今や十勝の手土産として定着した。「乳製品は重要な素材のひとつ。生産農家が身近にいる恵まれた環境に感謝し、菓子から十勝を盛り上げたい」。土地に寄せる心が、おいしさになる。

あんずジャムを挟んだ〈十勝だより〉200円やココアスポンジの〈えぞ紫つつじ〉190円も

チーズやチョコなど種類が豊富なクッキーは480円~





<お菓子の館 あくつ>
帯広市大正本町本通3丁目9
Tel:0155・64・5438
営:9時~18時
休:なし

「感動して幸せになる菓子を作り続けます」と安久津充由さん


おでかけスイーツ部
十勝のスイーツを求めて、Chai編集部が各店を訪問する連載企画です。
※写真/辰巳 勲。写真の無断転用は禁じます。