お風呂とグルメのちいさな旅(2)「十勝郊外・日帰りコースの温泉旅~鹿追町」
大雪山国立公園の麓に広がり、スケールの大きな風景が見られます。秘湯を満喫した後は、地元名物やアートのチェックもお忘れなく。
然別峡かんの温泉
訪れる人を包み込む自然の恵みともてなしの心
車1台がようやくすれ違える狭い山道を登った先に現れたのは、心和むレトロな温泉。国有林に囲まれた秘湯ムードを味わうだけでも感動するが、13の源泉に11の湯舟という豊富な湯のバリエーションでも楽しませてくれる。野性味あふれる岩風呂「イコロ・ポッカの湯」、目の前に滝が迫る露天風呂「幾稲鳴滝の湯」など、より取り見取り。まさに“温泉のテーマパーク”だ。
かんの温泉は1911(明治44)年に開業して以来、何度も閉館の危機を乗り越えている。2008年から休業していたが、14年、鹿追ホットスプリングス社長・勝海敏正さんによって再建。しかしその2年後、台風の被害に見舞われるというピンチに。それでも9カ月という急ピッチで再開にこぎ着けたのは、勝海さんおよびスタッフの不屈の精神があってこそ。「常連さんの励ましのおかげ」と、勝海さんは目を細める。受け継がれる温かな思いを感じられるのも、同温泉の魅力の一つである。
News! 2つの浴室は特徴が異なり、毎日男女を入れ替えるのでホームページで確認を!
<然別峡かんの温泉>
鹿追町然別国有林145
Tel:050・5319・4068
営:12時~17時(最終入場は16時30分まで)
※イコロ・ポッカの湯、幾稲鳴滝の湯は~15時
料:大人650円、子ども350円
休:火曜
買う
お菓子のアトリエ しかおいroku.
かわいい鹿のイラストを描いた看板が目印。2009年のオープン以来、シェフ・中野心悟さんが手掛ける洗練されたスイーツが、甘党たちをトリコにしている。ケーキは約25種類、焼き菓子も約30品と種類豊富。鹿追町・北養鶏場の卵や近隣の酪農家から仕入れた牛乳を使用するなど、地元産素材をふんだんに取り入れている。
鹿追町笹川北7-11-3 大草原の小さな家敷地内
Tel:0156・66・4666
営:10時~18時(カフェは~17時)
休:木曜(臨時休業はHPに記載)
見る
神田日勝記念美術館
2019年、NHK連続テレビ小説「なつぞら」に登場する山田天陽のモデルとなったのが神田日勝。鹿追町にゆかりのある神田氏の絵画や素描など約135点、そのほか180点を所蔵しており、1年を通じて多彩な展示が楽しめる。ベニヤ板にペインティングナイフで描いた大胆なタッチや、高さ180センチを超える大作の迫力を間近で体感して。
鹿追町東町3-2
Tel:0156・66・1555
営:10時~17時
休:月曜ほか(臨時休館等はHPに記載)
※入場料/大人530円、高校生320円、小・中学生210円
食べる
大阪屋
約65年前、大阪出身の早川定吉さん(故人)が考案したのが「煮込みジンギスカン」。羊肉や野菜を特製たれで煮込み、味が染み込んだところをいただく同店オリジナルのメニューだ。一般的なジンギスカンとは違い、しょうゆベースのたれはあっさりして別物のおいしさ。豆腐や野菜をトッピングすると、おいしさもボリュームも一層増す。
鹿追町栄町1丁目9
Tel:0156・66・2115
営:11時~14時、16時~22時
休:月曜
※フリーマガジン「Chai」2022年5月号より。
※撮影/辻 博希、スタジオ・イッセイ 高橋一生。写真の無断転用は禁じます。
お風呂とグルメのちいさな旅
遠出はできないけれど、せっかくの連休、どこかへ行きたい!そんな十勝っ子に提案する、おいしくてあったまる日帰り旅のススメ。いざ、〝プチ旅〞へ参りましょう。