十勝毎日新聞電子版
Chaiでじ

2024年11月号

特集/レトロかわいい十勝

お風呂とグルメのちいさな旅(1)「十勝郊外・日帰りコースの温泉旅~新得町」

新得町
 町の9割が森林という緑豊かな場所。大自然を感じながら入浴できる東大雪荘を中心に、老舗から新たなスポットまでアクティブにめぐるコースです。


トムラウシ温泉東大雪荘
ダイナミックな自然の中で身も心も癒やされる

大きな窓から明るい光が差し込む内湯。源泉を利用したミストサウナも体がよく温まると評判


 「下界とは全然雰囲気が違うでしょう」と、冗談交じりで出迎えてくれたのは事務長の水戸英行さん。その言葉通り、曲がりくねった山道を登っていくと、そこには手付かずの自然に囲まれた別世界が広がっていた。日常を一気に吹き飛ばす、生命力に満ちた風景。普段過ごしているのが下界なら、さしずめここは天界なのかもしれない。

 1964(昭和39)年に創業し、登山客の憩いの場や温泉マニアの憧れの地として知られてきた同温泉。1993(平成5)年にはリニューアルし、家族連れや女性にも親しみやすい場所へ生まれ変わった。何度も訪れる熱烈なファンのお目当ては、四季折々に趣を変える露天風呂からの絶景。4月下旬には雪景色からまばゆい緑へと切り替わる、季節の移ろいを楽しめる。

 湯は無色透明のナトリウム塩化物泉。保温効果が高い上、肌をスベスベにするメタケイ酸も含まれている。野鳥のさえずりをBGMに、のんびり美肌の湯を満喫したい。

露天風呂では絶景を眺めながらくつろげる

グッズにも注目!〈オリジナル手ぬぐい〉1,000円、同温泉限定の〈モンベルTシャツ〉メンズ・レディースS~M各3,600円

「約80℃の温泉を、調節して掛け流しています」と事務長 水戸英行さん


News! 5月にはゴジュウカラやクマゲラなどの野鳥が見られます

<新得町屈足トムラウシ>
Tel:0156・65・3021
営:12時~20時(最終入場は19時30分まで)
休:無休
料:大人700円、小学生250円
※食堂の利用は休止中




食べる
のむらカレー

1日限定10食の〈秘境トムラウシ関谷牧場さんのジャージー牛カレー〉1,300円は、複数のスパイスを使用して食材のうま味を引き立てている


 昨年9月にオープンした話題の店。大阪在住時にスパイスカレーを食べ歩き、カレー作りに情熱を注ぐ野村龍史さんが腕を振るう。定番のメニューは、チキンカレーやポークのキーマカレーなど3種類。それぞれにスパイスを使い分け、個性豊かな味わいを提供する。辛さを「0」から「激辛」まで選択できるので、お好みで相談を。

センスの良さを感じる店内。気まぐれで週替わりのカレーが登場することも!

「Instagramを見てみてね〜!」と店長の野村龍史さん


新得町新内西1線128
Tel:なし
営:11時~15時(売り切れ次第閉店)
休:不定(事前にSNSで確認を)




見る
狩勝高原エコトロッコ鉄道

1回の利用料で線路を2周できる。風を受けて走れば気分は爽快!

精巧に造られた屋根付き車両は、鉄道ファンに大人気


 旧国鉄狩勝線の新内駅跡にある、足こぎのエコトロッコ鉄道。全長400mの線路にリアルな踏切や信号所などが設置されており、ポイント切り替えもできる。気分はすっかり運転手!事前に鉄道標識を知っておくと、よりマニアックに楽しめる。鉄道ファンには、普通自動車免許を所持していれば体験できる、バッテリー電車の運転がお薦め。

新得町新内637-1
Tel:080・1882・3434
営:9時30分~16時30分
料:大人700円、子ども(3歳~中学生)400円



買う
相馬商店

地元・さほろ酒造のそば焼酎原酒〈十勝蒸留所〉500ml 2,409円は、濃厚な味わい

新得町はら農場の〈生そば〉850円、〈乾麺〉650円


 店内には日用品のほか、地元の名産が勢ぞろい。1905(明治38)年に新得駅前に創業し、116年もの間営業を続けている。店に並ぶ食材は、すべてスタッフが実際に試している自慢の品。その目利きにほれ込み、全国に常連客がいるというのも納得だ。選べる詰め合わせギフト〈あなたとヒトハコ〉など、遊び心ある土産が見つかる。

掘り出し物が続々。不定期でイベントも開催されている


新得町本通南1丁目5
Tel:0156・64・5055
営:9時~18時
休:日曜


※フリーマガジン「Chai」2022年5月号より。

写真/辻 博希、辰巳 勲、鎌田廉平、スタジオ・イッセイ 高橋一生、長尾悦郎
※各記事は、取材時のみ特別にマスクを外して撮影しています。
※2022年3月に取材・撮影しました。