2024年4月号

特集/ときめきのプリン&愛しのシュークリーム

おいしさを乗せて。十勝のキッチンカー(2)「キッチンカーに会いに行こう」

 十勝で活躍するキッチンカーをご紹介。イベントで見かけたらぜひチェックを!

◆Cafe Bus komorebi(カフェ バス コモレビ)
 島根県出身の後木加奈さんが、日本全国をめぐる旅の途中で魅せられたのが十勝。さまざまな縁によって移住を決め、〝移動カフェ〞を始めてから2周年を迎えた。木目を生かした手作りのカウンターには、「自然の中でもなじみ、居心地良く感じられる」という後木さんの思いが詰まっている。自慢の1杯が、幕別町「Dream Land Coffee」の協力で生まれたオリジナルコーヒー〈komorebi Blend〉。深いコクと豊かな香りが、幸せな時間を運んでくれる。
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<コーヒー、パフェドリンク>

手前から、飽きがこない絶妙な甘さの〈ナッツチョコ〉450円、〈komorebi Blend〉(ホット)400円

「おいしいコーヒーで、ひと息ついてくださいね」と後木加奈さん




◆ピッツェリア飛行船
 店舗をそのまま縮小したようなかわいいピザ小屋は、イベントでも注目の的。店主の伊藤翼さんがデザインや設計から手掛け、自ら製作したというこだわりようだ。搭載された石窯でピザを焼き上げ、さらにその熱を利用して発電できるというのも特長の一つ。環境に配慮した造りに、伊藤さんの優しい人柄ものぞく。そんなタイニーピッツェリア(小さなピザ屋)で味わえるのは、道産食材で作る本場ナポリのピッツァ。焼きたてのアツアツを召し上がれ。
※実店舗あり 帯広市西4条南19丁目7-1 Tel:050・5849・3014
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<ピザ>

〈マルゲリータ〉900円。十勝産小麦100%の生地に、白糠酪恵舎のチーズがたっぷり

「動産食材で作る本場のピザをお楽しみに」と伊藤翼さん、紀子さん




◆Match(マッチ)
 野菜も肉もたっぷり入ったボリューム満点の弁当は、手作りのやさしい味わい。昨年10月、弁当の移動販売「マッチ」を始めたのが店主の別府よしえさんだ。「野球を始めた子どもたちの応援と仕事を両立させるため」に、思い付いたのがこのスタイルだった。メニューには十勝産をメインとした食材をふんだんに使用。問い合わせがあればイベント以外でも注文を受け付け、毎週金曜には帯広市の「salon齋藤亭」で11時30分〜弁当の販売も行う。
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<弁当、総菜、豚汁など>

右から〈ハンバーグ弁当〉〈とりから弁当〉各500円。ワンコインでも満足感がある

「生産者の顔が見える安心食材を使っています」と別府よしえさん




◆とかち屋
 クレープやタピオカドリンクを販売するとかち屋は、いつも子どもや女性たちで大にぎわい。できる限り地元産の食材を使い、おいしいだけでなく安心して口にできるスイーツを提供する。目移りしてしまった時は、家族や友人とあれこれ注文してシェアするのがお薦め。以前は水泳のインストラクターだったという小野兼弘さん、利香さん夫婦の明るい接客にも和まされる。2人の優しい笑顔と至福のおやつタイムで、元気をもらえること間違いなし。
※帯広市にあった本店は11月に移転オープン予定
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<クレープ、ドリンク>

手前から〈タピオカドリンク〉(アイストッピング)450円、十勝産イチゴを使った〈クレームブリュレクレープ〉(いちご)550円

「十勝の食材で作ったスイーツをどうぞ」と小野利香さん




◆おいもさん
 2016年に開店した帯広市内の焼きいも屋が、移動販売で登場! レトロな車体のデザインがかわいらしい。移動販売を始めたきっかけを「店まで足を運べないお客さまにも、おいしいイモを食べてほしくて」と話す、移動販売担当の関口聡さん。夏は〈焼きいもシェイク〉といった冷たいメニューが並び、冬になると厳選した素材を使う名物の焼きイモや大学イモなどを販売。移動販売がない日は、店舗前に止めたキッチンカーと記念撮影を楽しめる。
※実店舗あり 帯広市西16条南4丁目39-21 Tel:0155・66・5126
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<イモのドリンク>

右から焼きいものペーした〈焼きいもシェイク〉350円、〈ホット焼きいもラテ〉300円

「レトロな雰囲気と“おいもカラー”の茶色が目印」と關口聡さん




◆タコス屋 シーガルキッチン
 十勝の観光商業施設に勤務する中で、地元食材のおいしさに感動した代表の山中大輔さん。「十勝の食を多くの人に届けたい」と、2017年から妻の洋子さんとキッチンカーを始めた。同店で味わえるのは、山中さんが愛するアメリカの西海岸から発想を得たタコス。十勝牛を使用した〈十勝牛ビーフケバブ〉や、タンドリーソースに漬け込んだ軟らかな鶏肉がたまらない〈中札内地鶏チキンタコス〉などは、すべて直火焼き。十勝の食材の良さを再確認したい。
※姉妹店「Pelican food club(ペリカンフードクラブ)」 帯広市東1条南9丁目10 Tel:0155・66・4695
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<タコス、ケバブ、ブリトー>

右から〈中札内地鶏チキンタコス〉600円、7種のスパイスで漬け込んだ〈十勝牛ビーフケバブ〉650円

「オールドヴィンテージがテーマの内装にも注目!」と山中大輔さん、洋子さん




◆Beer Bus On Your Side(ビア バス オン ユア サイド)
 樽生のクラフトビールを乗せた〝走るビアパブ〞。北海道産をメインに日本、世界から5種のクラフトビールをセレクトし、その日にしか出合えない一期一会の味を提供する。店主はかつてバーやイギリスビールの店で勤めた経験を持つ松永正宗さん。非日常にいざなうパブの雰囲気をキッチンカーで再現した。ビールの知識が豊富な松永さんと会話するのも楽しみの一つ。ホームパーティーなどの出張にも応じているので、詳細は問い合わせを。
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<クラフトビール>

Sサイズのクラフトビール。毎回銘柄は変わり600円前後で提供

「樽でしか提供しないレアなビールを味わって」と松永正宗さん




◆なつぞらケバブ
 6種のスパイスを配合し、一晩寝かせて仕上げる秘伝のソースがおいしさの決め手。専用のケバブマシーンを利用し、20㎏もの鶏モモ肉を回転させながらじっくりと火を通す。そうして出来上がったケバブは外がパリッ、中はふっくらとした仕上がり。ケバブの味はもちろん、アフロヘアの店長・樽美豪哉さんこと〝トシちゃん〞も強烈な印象を残す。全国を旅している途中で、今は十勝の魅力を満喫中なのだそう。ローカルなスーパーを中心に出店中。
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<ケバブ>

右から〈家族とおつまみケバブ〉、〈ケバブサンド〉各500円

「手作りのケバブで幸せを届けます」と樽美豪哉さん




◆柏壱堂
 赤い番傘をお供に、ひときわ目立つ和風仕立ての手作りキッチンカー。中から漂う甘くやさしい香りは、代表の柏田絢一さんが焼き上げる関西発祥のベビーカステラだ。催事で出合ったこの菓子に魅了され、「十勝産食材ならもっとおいしくなるはず」と試行錯誤。小麦粉や卵、牛乳、砂糖はすべて地場でそろえ、土地のすばらしさを発信すべく丁寧に焼き上げる。コロンとかわいいフォルムと優しい味は、子どものおやつや手土産にもぴったり。
※フェイスブック、インスタグラム、ツイッター有り


<ベビーカステラ>

〈ベビーカステラ〉は10個300円、20個500円など。ディップで楽しむ〈黒蜜きな粉〉500円や、〈チーズカステラ〉12個500円も美味

「子どもたちのおいしい!の笑顔が励み」と柏田絢一さん




◆MINASEN411(みなせん)
 ボードには、屋台でおなじみの焼き物メニューがズラリ。「会社の創業40周年を機に、地域に密着したことをやりたくて」とは、帯広で空調機器などを扱う大栄管機の専務・田中征行さんだ。事務所近くで働く人に喜んでもらおうと、移動販売にたどり着いた。十勝では珍しい大阪名物のいか焼きが人気で、専用のイカ焼き機で焼き上げる。生地と卵の中に入ったプリッとしたイカが美味。ここにしかない味、キッチンカーを探して
ぜひご賞味を。
※帯広市西18条北1丁目1-14(大栄管機) Tel:090・6444・6957
※フェイスブック、インスタグラム有り


<いか焼き、焼きそばなど>

〈いか焼き玉子入り〉350円(写真右)は甘辛ソースと相性◎。道産小麦使用の〈焼きそば〉(豚イカミックス)500円は極太麺で食べ応え満点

「平日はサラリーマン。人との出会いが楽しみ」と田中征行さん




◆Farm Bellveggy(ファーム ベルベジィ)
 鹿追町の農場でイチゴを栽培している藤井俊輔さん・史織さん夫妻がキッチンカーを始めたのは、自慢の果実を多くの人に食べてもらいたいという、シンプルな思いから。酸味がある品種「夏秋イチゴ」で、「甘いドリンクや菓子にすると相性がいいんですよ」。凍らせたイチゴに、十勝産の牛乳を加えたドリンク〈いちごのスムージー〉は、素材のよさを味わえるドリンクだ。木材を活用して手作りしたかわいいキッチンカーにも注目を。
※鹿追町瓜幕西29線22-18(農場) Tel:0156・67・2286
※フェイスブック、インスタグラム有り


<イチゴのドリンク、スイーツ>

〈いちごのスムージー〉(左)と自家製イチゴのソースや生クリーム、牛乳を合わせた〈いちごミルク〉。ともに500円。イチゴを使ったケーキもある

「地産地消を大切にしています」と藤井史織さん




◆Good Luck(グッドラック)
 大樹町で飲食店を営んでいた長島秀樹さん・めぐみさん夫妻がキッチンカーを始めたのは、2018年。「いろんな場所で大樹町を盛り上げたい」と一念発起した。一番人気は、〈やさしい空揚げ〉。また、多くの夢を載せるロケットに見立て、地元のおいしさを包んで揚げたトルティーヤ〈ロケッティ〉など、〝宇宙のまち〞にちなんだオリジナルメニューも楽しい。「車も2台になりました。さらに増やしておいしさを伝えるのが夢」。思いは宇宙空間に届きそうなほど、果てしない。
※大樹町松山町3-35 Tel:01558・8・7830
※フェイスブック、インスタグラム、ライン有り


<空揚げ、ラップフライ>

優しい味わいの〈やさしい空揚げ〉(L)700円は、たれも衣もオリジナル

「また来たよ!の声がうれしいです」と長島めぐみさん



※フリーマガジン「Chai」2019年9月号より。
※撮影/辻博希。写真の無断転用は禁じます。

おいしさを乗せて。十勝のキッチンカー

できたての料理を移動販売する「キッチンカー」。十勝では、自慢の味を振る舞いながら、地域の魅力を発信する動きが出てきた。地元をこよなく愛する店主たちの思い、こだわりの車やメニューなどを紹介する。

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