おいしさを乗せて。十勝のキッチンカー(1)「広がる可能性。十勝ブランドを発信」
キッチンカーが集う「Food Truck Village(フード・トラック・ビレッジ)」が初めて開催されたのは5月。「まちなかを盛り上げたくてみんなで企画したんです」とは、移動販売で「タコス屋シーガルキッチン」を営む山中大輔さん(帯広)だ。十勝のグルメを提供するキッチンカー仲間に声をかけ、初回は8台が集結。売り切れ続出の盛況ぶりだったという。
キッチンカーというと、スーパー店頭のたこ焼き屋、独特のアナウンスが懐かしい石焼きいもやアイスクリーム屋などが浮かぶが、最近はその形態や運営目的もさまざま。実店舗さながら、オンリーワンのメニューを提供し、全国的には観光振興や被災地支援、食育と、あらゆる分野に可能性を広げている。道内では、札幌の狸小路の一地区で4月から、商店街のにぎわいづくりのためキッチンカーを導入したニュースも記憶に新しい。
山中さんによると、十勝のキッチンカーの台数はここ数年増えているという。管外のイベントにも積極的に参加。実店舗を持つ人や、普段は異色の仕事に就く人など、店主の面々は多種多様だが、「十勝のよさを伝えたい」「来店客との交流が楽しみ」と思いは熱く、そしてシンプルだ。
そんな思いと地域のキッチンカーのニーズをつなげようと、十勝のキッチンカー業者が加盟する団体「十勝フードトラック協会」が7月に発足した。とびきり軽いフットワークで、〝おいしさを乗せて〞―。十勝のブランドをどう発信するのか、これからの活躍に目が離せない。
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【特集】おいしさを乗せて。十勝のキッチンカー
できたての料理を移動販売する「キッチンカー」。十勝では、自慢の味を振る舞いながら、地域の魅力を発信する動きが出てきた。地元をこよなく愛する店主たちの思い、こだわりの車やメニューなどを紹介する。
※フリーマガジン「Chai」2019年9月号より。
※撮影/辻博希。写真の無断転用は禁じます。
おいしさを乗せて。十勝のキッチンカー
できたての料理を移動販売する「キッチンカー」。十勝では、自慢の味を振る舞いながら、地域の魅力を発信する動きが出てきた。地元をこよなく愛する店主たちの思い、こだわりの車やメニューなどを紹介する。